管理人のイエイリです。
建設現場用に開発されたロボットの中でも、小型でとっつきやすいのが、設計図面に基づいて、建設現場の床に基準線や点などを直接、マーキングする墨出しロボットです。
例えば、竹中工務店、レンタルのニッケン、未来機械(本社:香川県高松市)が共同開発した高精度の自走式墨出しロボット「SUMIDAS」は、レンタルのニッケンを通じてレンタルで使用することができます。
この墨出しロボットに、描画機能が追加された新型機が登場し、ドイツのメッセシュトゥットガルトで開催された展示会「INTERGEO2024」(会期:2024年9月24日~9月26日)でお披露目されました。
描画機能を使って、
ナ、ナ、ナ、ナント、
葛飾北斎のアート作品
を描いて会場を沸かせたのです。(未来機械のプレスリリースはこちら)
この墨出しロボットは、ライカジオシステムズの3次元レーザー測量機「3D Disto」で位置を計測しながら、設計データをもとに測量機から半径約20mの範囲で工業用油性ペンを使って自動的に墨出しを行えます。
その精度は1~3mmと高く、プロッター方式の印字機能を採用しているため、線や点だけでなく、より細かな図形やイラストを床面に描画できるのです。
展示会への出展に当たっては、ロボットを「HOKUSAI」と名づけ、
特別なラッピング
でボディーを装飾した結果、会場でも注目を集めたそうです。
海外でも、大手プリンターメーカーが高速の墨出しロボットを発売するなど、墨出しロボットの分野は競争も厳しくなりつつありますが、精緻なイラストを高精度な位置に描けるという機能は、差別化戦略として有効そうですね。
未来機械ではこのロボットを建設業界だけでなく、店舗設計や展示会ブースの設営、半導体工場などの生産設備レイアウト検討など、様々な業界に向けて販路拡大を図る方針です。