管理人のイエイリです。
海岸や堤防の周りにさりげなく積まれている消波ブロックですが、その設置作業は危険と隣り合わせです。
というのも、クレーンでブロックを吊り上げ、水中の基礎上から水面上まで積み上げるとき、水中で吊りワイヤを取り外す「玉外し」という作業が必要だからです。
これまで、玉外し作業は潜水士や作業員の手によって行われており、作業船が波で揺れると、動揺したブロックに挟まれる心配があるからです。
東洋建設はこの玉外し作業を無人化するため、無線切り離し装置「MIX」を開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
水中と陸上の両方
で玉外し作業を遠隔で行えるのです。(東洋建設のプレスリリースはこちら)
クレーンのワイヤ先端で使う装置なので、制御はもちろん無線方式となります。
しかし、水中では電波が届かないので、陸上の作業用には電波を、水中の作業用にはソナーから超音波を、それぞれ同時に送る方式を採用しました。
制御信号を電波と超音波で同時に送信することで、陸上、水中はもちろんのこと、
水面際の飛沫帯
でも、同じ制御装置で据え付け作業を続けられるので効率アップにつながります。
同社によると、この装置を実際のブロック据え付け工事に導入したところ、従来の潜水士による玉外し作業に比べて、作業効率が約30%も向上しました。
無線と超音波の同時使用で、陸上から水中まで連続的に制御する方式は、あまり聞いたことがありません。東洋建設は「MIX」について特許出願中とのことです。今後、水中ドローンなどにも応用できそうですね。
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