南極から点群をリアルタイム伝送! スマホ直結も可能になったStarlinkが施工管理を変える
2026年1月7日

管理人のイエイリです。

建設現場では、スマートフォンを使った施工管理や写真共有、遠隔臨場が生産性向上のために普及してきました。

しかし一方では携帯回線の圏外となる山間部の現場などでは、「現場のデータをリアルタイムで共有できない」「スマホで施工管理システムにアクセスできない」といった通信の問題に悩まされています。

こうした建設業のデータ通信問題を解決する手段として注目されているのが、人工衛星を使ってインターネットと接続できる「Starlink」という通信サービスです。

例えば、南極の昭和基地から、埼玉県ふじみ野市にあるKDDI総合研究所まで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

点群と映像をリアルタイム

で伝送することもできるようになったのです。(三機工業のプレスリリースはこちら

南極の昭和基地と日本のKDDI総合研究所との間で3D点群や映像をリアルタイム伝送する実証実験(資料:三機工業)

南極の昭和基地と日本のKDDI総合研究所との間で3D点群や映像をリアルタイム伝送する実証実験(資料:三機工業)

このリアルタイムデータ伝送は2025年11月18日に、三機工業(本社:東京都中央区)、KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市)、国立極地研究所(所在地:東京都立川市)が実証実験として行ったもので、Starlink衛星通信回線を活用して世界で初めて成功させたものです。

この実験では、スマホによって設備の3D点群データと映像を計測・撮影し、データ圧縮、伝送、日本側での受信とモニター表示までを、1秒以内の遅延で、途切れなく同期させて伝送できることを確認しました。

受信した3D点群データは、3D-CADで製図できるくらいの品質があり、南極での作業を支援できることを確認しました。

これらのデータ取得から伝送までは、3D点群圧縮伝送用ソフトウエアをインストールしたLiDAR搭載のスマホ1台で行いました。

実証実験で使われたStarlink経由のデータ伝送システム構成図(資料:三機工業)

実証実験で使われたStarlink経由のデータ伝送システム構成図(資料:三機工業)

南極観測隊はスタッフの数も限られているので、現場の計測や工事用の図面も現地で作成していました。Starlinkで点群などのデータが送れるようになると、日本国内にいながら南極基地の遠隔支援ができるようになり、生産性向上に寄与しそうですね。

Starlinkによるデータ伝送には、これまで直径50cmくらいのパラボラアンテナが必要でしたが、日本国内の現場では、

スマホから直接

Starlink衛星に向けてデータを送信することもできるようになっています。

例えば、MetaMoJi(本社:東京都港区)が開発した施工管理アプリ「eYACHO」は、スマホから直接、低軌道のStarlink衛星と通信できるKDDIの「au Starlink Direct」サービスを活用し、携帯電話の電波が届かない圏外現場でも使えるようにしました。(MetaMoJiのプレスリリースはこちら

携帯電波の圏外の現場でも、スマホからStarlink衛星を使ってeYACHOが使えるようになった(資料:MetaMoJi)

携帯電波の圏外の現場でも、スマホからStarlink衛星を使ってeYACHOが使えるようになった(資料:MetaMoJi)

iPhoneからStarlinkに接続するモバイルデータ通信の設定画面。SIMを入れ替えるような感覚で「衛星通信」のスイッチをオンにする(資料:KDDI)

iPhoneからStarlinkに接続するモバイルデータ通信の設定画面。SIMを入れ替えるような感覚で「衛星通信」のスイッチをオンにする(資料:KDDI)

アマチュア無線家である筆者の感覚からすれば、スマホのような超低出力・小型アンテナの端末が衛星と直接通信できるのは驚異的なことです。これは衛星側のアンテナ・無線技術が進化したことによって可能になりました。

スマホからの微弱な電波を捉えるため、通常の静止衛星に比べて高度が60~70分の1程度と低い衛星に、超高感度・超多素子のアンテナを搭載し、地上のスマホ1台1台を“超指向性ビーム”で狙うように通信しているのです。

いわば、Starlink衛星網自体が「空飛ぶ基地局」になった結果です。 この技術が一般の施工管理アプリや現場ツールにまで浸透すれば、従来の「圏外だからDXできない」という制約はなくなります。

災害現場や離島・山間部、長大トンネル工事など、これまで通信がネックだった建設現場のDX化が加速しそうですね。

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