掘削ロッド内でWi-Fi通信! 古野電気と竹中土木が地中のジャイロデータ伝送に成功
2025年9月12日

管理人のイエイリです。

建設機械の内部でデータを伝送するものといえば、LANケーブルやUSBケーブルなどの「有線方式」を思い浮かべがちです。

しかし、地盤改良機のロッド先端部に取り付けた地中のジャイロセンサーのデータを送るとなると、周囲は水や土砂に囲まれ、しかも作業中の激しい振動といった過酷な環境のため、これらのケーブルやコネクターがちゃんと動作してくれるのかが心配になります。

地盤改良に使われる掘削機のロッド(以下の写真、資料:古野電気、竹中土木)

地盤改良に使われる掘削機のロッド(以下の写真、資料:古野電気、竹中土木)

地中のロッド先端近くで鉛直精度を測るジャイロセンサー

地中のロッド先端近くで鉛直精度を測るジャイロセンサー

そこで古野電気(本社:兵庫県西宮市)は竹中土木と共同で、地中を貫く画期的な通信方法を編み出しました。

掘削ロッド内に仕込んだ単管パイプ内の空間を使って、地下から地上までを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

Wi-Fi通信でつなぐ

 

方式なのです。(古野電気のプレスリリースはこちら

掘削ロッドに単管を仕込み、その中でWi-Fi通信を行う実験風景

掘削ロッドに単管を仕込み、その中でWi-Fi通信を行う実験風景

この方式は、Wi-Fiの電波を単管パイプの中に通して伝送する「ウェーブガイドLAN」という古野電気の技術を、地盤改良を行う2軸深層混合処理機の掘削ロッド内に仕込んだものです。

これまでは、高層ビルの建設現場で、上下階を貫くWi-Fi網を構築するために使われていましたが、建機の内部、それも土中に潜るロッド内で利用するとは驚きですね。

しかも建設現場でよく使われる単管パイプを、電波の導波管として利用するというのは、建設と通信の異分野ナイスコラボと言えるでしょう。

ロッド上部で地下からのデータを受信する部分

ロッド上部で地下からのデータを受信する部分

途中のロッド内に仕込まれた単管パイプ

途中のロッド内に仕込まれた単管パイプ

地下のジャイロセンサー収納部分

地下のジャイロセンサー収納部分

Wi-Fならケーブルのようによじれたり、コネクターがゆるんだりする心配もないので、

 

接続や耐久性の面

 

でも、可動部分のある建設機械との相性が良さそうです。

地中のジャイロセンサーから送られてきたデータによる施工管理のイメージ

地中のジャイロセンサーから送られてきたデータによる施工管理のイメージ

建機の世界は、ICT化が進むにつれて多数のセンサーや制御ユニットが組み込まれるようになっています。今後は油圧ショベルやクレーンなど、可動部が多くケーブル配線が難しい機

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