NTTと大成建設が1人3台の遠隔操作! ローカル5G、60GHz、IOWNで隣町から
2026年4月13日

管理人のイエイリです。

人手不足や長時間労働対策として、重機の遠隔操作が注目されています。しかし、実際にはそんなに簡単ではありません。

重機からの映像が遅れると操作しにくくなりますし、広い現場で通信が切れたら復旧にも手間がかかります。現場の通信環境づくりだけで丸一日かかるようでは、DXもなかなか前に進みません。

そんな「必要性は分かっているけれど、現場実装が難しい」というテーマに、かなり本気で踏み込んだ実証が登場しました。

NTT(本社:東京都千代田区)、NTT東日本(本社:東京都新宿区)、大成建設(本社:東京都新宿区)は、さまざまな高性能通信を組み合わせて、

ナ、ナ、ナ、ナント、

隣町から1人3台

の遠隔操作と自動制御を行う実証実験に成功したのです。(NTT東日本のプレスリリースはこちら

IOWN APN、ローカル5G、WiGigを活用した3台の重機の遠隔操作および自動制御(資料:NTT東日本)

IOWN APN、ローカル5G、WiGigを活用した3台の重機の遠隔操作および自動制御(資料:NTT東日本)

3社は、三重県桑名市の遠隔操作拠点と、隣町の東員町の実証現場を、NTT西日本の光ネットワークサービス「IOWN APN」で接続しました。

その上で現場内では、ローカル5Gと60GHz帯無線LAN(WiGig)を使い分けながら、異なるメーカーの複数重機を“バーチャル乗り換え”しながら1台の操作卓から遠隔操作・自動制御する実証に成功しました。

建機の遠隔操作というと、これまでは「1台を遠くから動かす」話が中心でした。ところが今回は、そこから一歩進んで、複数の重機を切り替えながら運転し、施工全体を回すところまで踏み込んだのがミソですね。

実証期間は2026年2月2日から27日まで。現場には、油圧ショベル、クローラー型ダンプトラック、ブルドーザーの3台を配置し、土砂の掘削・積込、運搬、敷均しという一連の流れを、遠隔操作および自動制御で実施可能であることを確認しました。

2拠点間の幹線通信にはIOWN APNを使い、現場全体をカバーする自動制御用の無線ネットワークにはローカル5G(ギガらく5Gセレクト)を使用しました。GNSS信号に基づく重機の位置情報を伝送しながら、約300mの実証現場全体で通信が途切れないことを確認したそうです。

一方、重機の遠隔操作に欠かせないカメラ映像や制御信号の伝送には、60GHz帯無線LAN(WiGig)を活用しました。

こちらは、特定エリアでの低遅延・低ジッタ伝送を担います。有線区間を含めたネットワーク全体での遅延は数msec程度、ジッタは数十μsec程度を確保したとのことです。

これにより、長距離移動や旋回を伴う無人化施工を安定して行える技術を実現したわけです。

さらに、MC(マシンコントロール)とMG(マシンガイダンス)についても、従来の同一敷地内での利用と同等の精度で使えることを確認しました。

今回の見どころは、無線の役割分担にもあります。ローカル5Gで広い現場全体をカバーし、WiGigで低遅延の映像伝送と制御を受け持つ。この役割分担が実にうまいですね。

しかもWiGigを使うことで、詰所と現場の無線ネットワーク構築が、従来は丸一日かかっていたのが、

約1時間に短縮

できることも確認したそうです。

どんなに立派なシステムでも、準備に時間がかかりすぎると普及しません。その点、施工前のネットワークづくりで疲れ果てる未来ではなく、比較的すばやく立ち上がる未来が見えてきたのは大きいです。

このほか、ドローン空撮で取得した大容量の現況地盤データを使って三次元設計データを作成する作業でも、IOWN APNの活用により、データ伝送時間を従来の約8分の1に短縮したとのことです。

遠隔操作だけでなく、オフィスでのデータ作成から現場反映まで含めて速くなるのは、実験段階から現場運用の段階に近づいてきた感じがしますね

今後は2026年度に大型造成工事などの現場で実証を進め、2027年度にはダムの堆砂対策への適用も目指すそうです。いよいよ、複数重機を1人で遠隔操作する時代が、現実のものになってきました。

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