OPEN BIMによる設備、構造との連携からBIM教育まで
安藤ハザマのBIMを支えるArchiCAD(グラフィソフトジャパン)
2014年9月22日

安藤ハザマでは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用が質・量ともに急速に伸びている。その裏にあるのが「全BIM化」の戦略だ。グラフィソフトジャパンの意匠設計用BIMソフト「ArchiCAD」を中心に、様々な設備・構造用BIMソフトと連携しながら、設計・施工を進めている。

意匠設計にArchiCADを活用する安藤ハザマ

意匠設計にArchiCADを活用する安藤ハザマ

   合併直後からArchiCADを中心としたBIMを展開

2013年4月に、旧・安藤建設と旧・ハザマが合併して誕生した安藤ハザマでは、合併直後からBIMの導入に注力している。既にBIMを活用したプロジェクトは十数件にも上り、ほとんどが現在進行中だ。

意匠設計には、グラフィソフトジャパンの「ArchiCAD」を使っている。「建物の設計や現場の状況を3Dでわかりやすく見せるためには、最適なソフトです」と、安藤ハザマでBIMの普及を担うBIM推進グループの吉田日都士グループ長は語る。

ArchiCADで作成した内観のBIMモデル

ArchiCADで作成した内観のBIMモデル

設計段階でも完成後の使用イメージが手に取るようにわかる

設計段階でも完成後の使用イメージが手に取るようにわかる

同社では設計・施工を行うのに、従来の2D図面ベースから3DのBIMモデルベースへと急速に切り替えつつある。設計者自身が利用できるBIMソフトには、取っつきやすさと奥深さの両面が求められる。

「ArchiCADは3Dモデルと2D図面が連動し、両方を行ったり来たりしながら設計を進めていけるので、2Dから3Dに移行するための敷居が低いのがいいですね。さらに複数の設計者が1つのBIMモデルを共同で設計する『TeamWork機能』や、設備のBIMモデルを読み込んでの干渉チェック、iPadやパソコンでウォークスルーや図面参照が行えるクラウドシステム『BIMx
Docs』も利用でき、BIM活用の質も高めていくことができます」(吉田グループ長)。

   BIM推進グループの取り組み

安藤ハザマは発足して半年後の2013年10月に、社内にBIMを普及するためのBIM推進グループを立ち上げた。当初、3人でスタートした組織だが、2014年4月には7人に増えた。

合併前の安藤建設およびハザマでは、各々ArchiCADを使用し設計を進めていたものの、合併後、約180人の設計者となった同社でBIMへの転換を図るには、今後、さらに多くのArchiCADのライセンスが必要となる。

また、BIMソフトを動かすハードウエアも従来のパソコンではスペックが不足するため、2013年、2014年と、大量のワークステーションを導入した。

「BIMは松竹梅の『梅』レベルから始めればよいと思います。まずは3Dでのモデリングに慣れ、属性情報をフルに活用するのはその後、取り組んでいくという考え方です」(吉田グループ長)。

設計者がBIMモデルや3DパーツなどのBIM資産を蓄積しながら、設計・施工の質を高めていく。3年後を見据えたBIM推進グループの取り組みが本格的に始まった。

安藤ハザマのBIM推進の考え方

安藤ハザマのBIM推進の考え方

   OPEN BIMで様々なソフトと連携

建設会社として、安藤ハザマはBIMによる設計と施工の連携にも重きを置いている。施工段階での作業の手戻りは、金額的にも大きなロスとなる。

そこで「施工で実を得る」という考え方のもと、施工段階ではArchiCADで作った意匠や駆体のモデルに、協力会社が設備用BIMソフトで作成した空調、衛生、電気の設備モデルを組み合わせて、干渉チェックを実施。着工前に施工時に問題になりそうなところを発見・修正する「フロントローディング(業務の前倒し)」に取り組んでいる。

「ArchiCADは、様々なBIMソフトとIFC形式によってデータ連携を図る『OPEN BIM』という思想で開発されています。そのため、CADWe’ll
TfasやRebroなどの設備用BIMソフトの設計データをArchiCADに取り込み、意匠・駆体と設備の干渉チェックもスムーズです」(吉田グループ長)。

ArchiCADで作成した意匠モデルに、他社製のBIMソフトで作成した構造モデルや設備モデルを組み合わせ、統合モデルにした例

ArchiCADで作成した意匠モデルに、他社製のBIMソフトで作成した構造モデルや設備モデルを組み合わせ、統合モデルにした例

   施主からも高い評価

現在、BIMを本格的に導入して進行中のプロジェクトのうち、東京・銀座に建設する事務所と店舗からなるビルは、意匠・構造・設備の設計をすべてBIMで行った同社初の“フルBIM”を実現した。免震構造のビルなので、免震階が地震動で揺れたときの設備配管の動きを考慮した動的な干渉シミュレーションを行っている。

 

免震階での設備配管と躯体や機器との動的な干渉シミュレーションにもArchiCADのBIMモデルが引き継がれている

免震階での設備配管と躯体や機器との動的な干渉シミュレーションにもArchiCADのBIMモデルが引き継がれている

同じく東京都心に建設するオフィスビルでは、十数パターンの外装サインの検討や、ファサード照明のシミュレーション動画を作成した。

また、埼玉県内に建設する工場では、企画設計から実施設計までをBIMで行い、一部、設計図書の作成にも利用した。

こうしてBIMの活用に本腰を入れ始めた安藤ハザマに対し、高く評価する施主も現れ始めた。例えば工場の建設では、“陣地取り”と呼ばれるように設備の配置が重要な合意形成事項となる。

施主側の担当者が上司に工場の設計について報告するときに、ArchiCADや設備用BIMソフトで作成したCGパースはとてもわかりやすいと高く評価されている。

   教育、基準に生きるグラフィソフトのノウハウ

安藤ハザマにとって、BIM教育は大きな課題だ。教育と普及を 担当する下川弘副部長は「社内教育でも、グラフィソフトジャパンが提供するBIM教育プログラム『JUMP!』を活用しています。例えば新入社員には、基本操作やプレゼンテーションを学ぶ『JUMP1』とモデルの詳細化を学ぶ『JUMP2』を受講させています。また、管理職にはスライドショーなどでBIMを説明しても、従来の3D-CAD/CGとの違いが判りづらいため、グラフィソフトの専門家によるArchiCADの体験基礎講習会を行い、自部門の業務においてBIMでどんなことができるのか、どのように活用できるのかを体感してもらう講習を行っています」と説明する。

設計部内管理職用のBIM体験講習会を開催し、社内普及・教育を行っている

設計部内管理職用のBIM体験講習会を開催し、社内普及・教育を行っている

 また、ハード・ソフトのBIM基盤整備や対外的な活動を担当する松野義幸担当部長は、日本建設業連合会BIM専門部会で、施工LOD検討ワーキンググループのリーダーを務めている。LODとはBIMモデルの詳細度を数値化したものだ。

「ワーキンググループでは、LODの解説書を作成しています。ここでグラフィソフトジャパンがArchiCADで作ったサンプルBIMモデルが大変、役に立ちました。グラフィソフトは、このモデルを他社のBIMソフトによって作ることも快諾してくれました」と松野担当部長はグラフィソフトジャパンが持つBIM活用ノウハウやBIMモデル資産、そしてOPEN
BIMの精神による標準化への協力体制も高く評価している。

安藤ハザマのBIM推進チームは今年8月から、全国の支店や現場を回り、全社的なBIM導入に向けて本格的な活動をスタートさせてい る。ArchiCADはBIMプロジェクトの中核を担うソフトとして、さらに活用度が高まりそうだ。

 

全国各支店でのBIM活用にむけた説明会

全国各支店でのBIM活用にむけた説明会

 

安藤ハザマのBIM推進グループメンバー。左から黒川氏、下川氏、渡邉氏、吉田氏、江口氏、松野氏、鬼木氏

安藤ハザマのBIM推進グループメンバー。左から黒川氏、下川氏、渡邉氏、吉田氏、江口氏、松野氏、鬼木氏

 20140922ArchiCAD-10 【問い合わせ】

グラフィソフトジャパン株式会社
<本 社> 〒107-0052 東京都港区赤坂3-2-12 赤坂ノアビル4階
TEL:03-5545-3800/ FAX:03-5545-3804
<大阪事業所> 〒532-0004 大阪府大阪市淀川区西宮原2-27-53 Maruta 2F-A
TEL:06-4807-7337 / FAX:06-4807-7340

ホームページ www.graphisoft.co.jp

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