「矢板式河川護岸の設計計算」をリリース
2014年6月30日

プログラム概要ライン
本製品は、河川護岸における自立式矢板の設計計算プログラムです。(図1)。最新版の「災害復旧工事の設計要領(H25)」に対応した慣用法での矢板壁の検討を始め、「河川構造物の耐震性能照査指針(H24)」に準拠したレベル2地震時の検討や、液状化の影響の考慮、「多段盛土」の検討、また、矢板壁の「弾塑性解析」を行うことができます。

▲図1 メインウィンドウ

 

 

  プログラムの機能と特長

ライン

●河川構造物の耐震性能照査指針(平成24年版)に対応
この基準では、レベル2地震動のタイプⅠ、タイプⅡについて、耐震性能2または3を満たすことを検討します。これらの検討では、地震時の影響として以下のものを考慮します。

  1. 構造物の重量に起因する慣性力
  2. 地震時土圧
  3. 液状化の影響
  4. 地震時動水圧

各地震時の設計水平震度の算出は、河川構造物の耐震性能照査指針(H24)に準拠した地層条件からの自動算定により設定が可能となります。
また、見掛けの震度については、二建の提案式のほか、災害復旧の標準式、荒井・横井の提案式を用いた算出に対応する予定です。災害復旧工事の設計要領を適用した場合との照査内容の差異を表1に示します。

  • 準拠基準 災害復旧工事の設計要領 河川構造物の耐震性能照査指針
    検討ケース 常時
    レベル1地震時
    常時
    レベル2地震時(タイプⅠ)
    レベル2地震時(タイプⅡ)※以下は必要に応じて検討
    レベル2液状化時(タイプⅠ)
    レベル2液状化時(タイプⅡ)
    液状化の検討 行わない 行う(考慮しないことも可能)
    常時 土圧 クーロン土圧(変更可能)
     断面力・変異の計算 慣用法(チャンの式)
    地震時 主働土圧 クーロン土圧(変更可能) 修正物部・岡部法(変更可能)
    断面力・変位の計算 慣用法(チャンの式) 弾塑性法
    見かけの震度の算出式 災害復旧の標準式
    (変更可能)
    二建の提案式(変更可能)

     

    ▲表1 適用基準による算法の違い

     

●矢板壁の弾塑性解析に対応

 

  • 本製品では、解析に弊社製品『Engineer’s Studio®』のソルバーを用いた、断面力、変位の計算に対応しています。
    本モデルにおいて、矢板壁に作用する主働側側圧は、要素に対し連続の分布荷重として考慮します。受動土圧については、上下限値を受動土圧、傾きを水平方向地盤反力係数としたバイリニアの地盤バネを設定することで考慮しています。(図2)

    ▲図2 地盤バネ

     

     

また、弾塑性法を用いることで、慣用法では計算できない鉛直方向の変位量を得ることができます。これにより、耐震性能2の変位についての照査を行うことが可能となります。

●検討ケース:液状時に対応

 

  • 液状化の影響を考慮するため、地震時の各ケース、主働側、受働側地層のそれぞれに対して、液状化の判定と、低減係数の自動計算に対応しました。(図3) 
    ▲図3 形状決定画面

     

     

    判定結果より、「液状化する」層が含まれている地震動に対して、新たに液状化時が検討ケースとして追加されます。液状化時の場合、液状化すると判定された層に対しては、地盤バネに低減係数を考慮し、また、土水圧の影響として漸増成分と振動成分を考慮します。「河川構造物の耐震性能照査指針」では、2層系地盤を想定した計算法が記載されていますが、本製品ではこの手法を多層系地盤にまで拡張し、多様な地層条件における作用力の計算を可能としています。(図4)

  • ▲図4 多層系地盤における振動成分

     

     

●多段盛土に対応

 

  • 本製品では、最大5層までの盛土を考慮することができます。(図5)。この盛土部分は、換算載荷重として、主働土圧や、漸増成分を計算する際の有効上載圧に考慮されます。
  • ▲図4 多層系地盤における振動成分

     

     

詳しくは、フォーラムエイトのウェブサイトで。

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