さて、2018年の振り返りから、今回は2019年の予想をしてみたいと思います。
1 3Dコンクリートプリンター、いよいよ普及へ
3Dコンクリートプリンターはこれまで海外で資材が不足した状態で仮設住宅をつくったり、スラム街化を防ぐために安価での家をつくったり、橋を架けたりするのに活用されてました。これがいよいよ、日本でも本格的に使われはじめる年になるのでは、と予想します。
海外と異なり、日本では大きな地震が頻発するがゆえに、鉄筋を入れなくてはいけないから、独自の使い方が出てくるんじゃないかと考えています。
鉄筋を入れ込み、なおかつ型枠をなくしたコンクリートをつくれる仕組みができるかもしれません。ひょっとしたら国土交通省のi-Constructionで、トップランナー施策となったコンクリート工事の生産性向上の方法として、3Dコンクリートプリンターで打ち込み型枠をつくって、構造物の表面に張りつくタイプの型枠の中にコンクリートを流し、鉄筋と一緒に固めてつくる――そんな使い方も、すこしずつ現れてくるのではないか、と。
いずれにしても、日本ならではの進化に期待したいところです。
前田建設も工事用3Dプリンターを開発していた!型枠なしでコンクリ部材を製作
曲面部材の造形に成功!大林組が3Dコンクリートプリンターを開発していた
2 建設は工場で行われる時代になる!
昨年は現場で働くロボットが、いくつも開発されました。現場の中で動きまわるロボットももちろん必要ですが、現時点のロボットを単純に人間から置き換えただけであれば、まだあまり実用的ではなく、かえって生産性が落ちることもあるんじゃないかと(これについては後述します)。
そこで、モジュラー・コンストラクションがすこしずつ進んでいくと思います。自動車工場のように工場でつくれるものは工場でつくる。工場であれば、さまざまな溶接ロボットや切断ロボット、ロボットアームが効率的に使えますからね。
仮設の現場で鉄筋やべニア板を切ってひとつずつつくるのではなく、鉄筋を籠状につくるようなできるだけ細かな作業は工場で行なって、現場に持っていって、積み上げて設置するような方法。そうやって、建設の進め方がすこしずつ変わっていくのかなと。ロボットも工場内で使ったほうが効果が高まるように思います。
建物だって、海外と同じように部屋レベルまでつくって現場に運ぶ。これは輸送手段の効率化も検討する必要がありますが、そうやってすこしずつ進んでいくのではないでしょうか。
続きは、「建設の匠」のウェブサイトで。