第19回 3D・VRシミュレーションコンテスト受賞結果を掲載
2020年11月23日

3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウドは、2002年のUC-win/Road「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」受賞を機にスタート。FORUM8デザインフェスティバルのメインイベントとして、毎年、国内外からUC-win/Roadによる高度なVRデータ作品が集まるコンテストです。2011年からはVR-Cloud®によるクラウド一般投票が選考プロセスに追加され、コンテストを盛り上げています。

受賞結果

一般投票及び審査員の方々による厳正な審査の結果、グランプリ、準グランプリ、アイデア賞、エッセンス賞、3つの審査員特別賞が決定しました。
2020年11月18日、品川インターシティホールとオンラインに於いて、表彰式を行いました。

表彰式の様子(2020年11月18日 品川インターシティホールとオンラインにて開催)

  • グランプリ(最優秀賞)

    ショーボンド建設株式会社

    橋梁補修時の施工VRシミュレーション
    施⼯性を上げるためには、現場状況を正確に把握し、計画に反映させることが⼤切です。今回、⼯事を⾏う前に点群データを採取し、さらに設計図⾯から正確に部材をモデル化し、現場状況等を表現。そして、想定している⼯事内容を表現し、施⼯性を検討しました。

    見どころ

    アニメーションの「概要」を実行すると、施工現場周辺環境と支承入替例をダイジェストで確認できます。また、シナリオ「シナリオ:P4-A~D」、「シナリオ:P5-A~C」を実行すると各支承取替の施工シミュレーションの詳細を間近で見ることができます。アンカー削孔から、はつり作業まで、一連の工法の流れが3Dで確認でき、わかりやすい説明資料となっています。アニメーション「クレーン走行」では、狭い農道をクレーン車が移動する様子を、2D視点からも確認できるようになっています。

  • 準グランプリ(優秀賞)

    国土交通省九州地方整備局九州技術事務所

    遠隔操縦操作訓練用シミュレータ
    2016年に発生した熊本地震により崩落してしまった阿蘇大橋周辺を再現しています。写真データは実際の被災現場を空撮したものを使用しており、当時の被害状況がわかるようになっています。このVRデータを用いて、実際の遠隔操作用のコントローラを接続して災害時における初期初動対応を目的とした分解組立型バックホウの遠隔操作訓練シミュレータを構築しています。

    見どころ

    シナリオ「遠隔操縦訓練概要」を実行すると、実際の機材を使用した操作手順や準備段階での注意点、VR上でのシミュレーション内容の説明を見ることができます。シナリオ「VR走行シーン」を実行すると、運転部分の操縦訓練内容を見ることができます。また、シナリオ「重機操縦体験」では、アームの動作や走行などの基本的な動きを操作することができ、実際の災害現場を模した空間での訓練のイメージを体験することができます。

  • アイデア賞

    株式会社デンソー

    運転時反応試験用VRデータ
    ⾃動⾞運転中における交差点での⼈や⾃転⾞の⾶び出しなどに対するドライバーの反応の早さを検証するためのVRシミュレーション。衝突しないダミーと衝突するターゲットを組み合わせ、対象物の⾊や⼤きさ、タイミングなど約160種類の様々な条件を設定し、ドライバーが衝突の危険を感じて反応するまでの時間差を検証しています。

    見どころ

    ドライバーの反応を検証する実験で使用されたシナリオを体験することができます。シナリオ「説明1」を実行すると、実験の目的や概要、検証方法などの説明を見ることができ、説明の後、実際の流れで検証用イベントを連続体験することができます。シナリオ「セッションI」を実行すると、40パターンの状況がセットされた検証用イベントから開始することができます。なお、実験のため画角設定や内装の構造は特殊なものとなっています。

  • エッセンス賞

    Seoul Metropolitan Government Infrastructure Headquarters

    VRによる「西部幹線道路を都市道路へ変更」
    するための道路設計
    ソウル市は、交通渋滞、環境汚染、駐車場不足、低アクセス率等の問題を背景に西部幹線道路を都市道路へ変更することを計画中です。2D設計図面では解決が困難な問題を解決するため、UC-win/Roadで確認しながら多くの設計問題を討論しました。交差点の視距、自転車専用道路の幅、構造物や遮音壁による視認性等をレビューしています。

    見どころ

    アニメーション「Flight View」を実行すると、改良後の西部幹線道路を全線を飛行しながら見ていくことができます。「Driver View」では、車の目線で代表的な区間を走行して道路構造や景観のイメージを見ることができます。また、「Plan」を実行することで、検討が行われた内容、改良前と改良後のイメージの比較、走行イメージなどを確認することができます。

  • 審査員特別賞 Public design賞(関 文夫 氏)

    境港市

    みんなが集まる広場のような複合施設
    境港市民交流センター(仮称)新築プロジェクト
    境港市民交流センター(仮称)新築工事が進んでいます。建物の正面エントランスは弓ヶ浜半島のゆるやかな曲線をイメージし、ホール、図書交流広場、美術展示機能を備えた会議室等の複合施設です。市民の交流の場、自衛隊との交流拠点、ホールが平土間となる災害時の避難所など多機能の施設となっており、建物の臨場感をPRするためVRを作成しました。

    見どころ

    アニメーション「施設概要」を実行すると、施設の立地、水木しげるロードとの位置関係など地域のイメージを見ることができるほか、施設内観についてもダイジェストで表現されています。また、「施設ウォークスルー」を選択すると、施設内をエントランスからホールまで主要な場所を順に通して見ていくことができ、施設の雰囲気を実際の人間の目線で体感し、楽しむことができます。

  • 審査員特別賞 地域づくり賞(傘木 宏夫 氏)

    三井共同建設コンサルタント株式会社

    道路改良事業における効果的な施工計画検討
    県が実施する道路改良事業において、地域住⺠、関係する国道管理者や市道管理者等との円滑な合意形成に向け、CIM/BIMの⼀貫であるVR技術を活⽤した試⾏事例を紹介。なお、本技術導⼊効果として、これまでに要していた調整に関する多くの会議や期間が顕著に半減されました。今後、更なるVR活⽤による円滑な事業推進が期待されます。

    見どころ

    アニメーション「道路改良事業における効果的な施工計画検討」を実行すると道路改良工事の流れを10段階で確認することができます。道路工事の手順、工事中の車両通行イメージをわかりやすく表現しています。歩道橋の工事前後の景観、通行イメージや擁壁工事の施工前施工後の走行イメージも確認することができます。

  • 審査員特別賞 Traffic simulation賞(原口 哲之理 氏)

    岩田地崎建設株式会社

    札幌市内交差点工事規制交通シミュレーション
    ⼯事による交通規制が通⾏に与える影響を確認するため交通シミュレーションを実施。交差点近傍かつ⾞道中央に位置する⼯事箇所に規制帯を設けるにあたり、ピーク時の混雑状況・右折⾞のたまり⽅やドライバーからの視認性等をシミュレーションすることで規制形態の妥当性を検証。結果は発注者への提案にも⽤いられました。

    見どころ

    アニメーション「交通シミュレーション」を実行すると、交差点の構造や車の通行状況、通常時と工事中を比較した交通シミュレーションなどを見ることができます。また、シナリオを実行することで右折・直進時に右折待ち車両の後ろで待機する際のドライバーの視界がどのようになるか確認することができます。

  • ノミネート賞

    中央設計株式会社

    スマートIC、VR走行シミュレーション
    ホームページに掲載するVRシミュレーションを作成しました。UC-win/Roadと3Dソフトを用いて、法面やボックス、ラウンドアバウトなど概略設計の協議で使えるものを表現しています。シミュレーションは、全体が見えるバードビューと、ETC未搭載の車がラウンドアバウトを回って本線に戻る動きを再現しました。

    見どころ

    この作品では高速道路本線、上下線のラウンドアバウト、スマートICが表現され、シナリオ「ランプUターン」を実行することで様々なシミュレーションを体験できます。俯瞰による全体景観、ラウンドアバウト、スマートICからラウンドアバウトを回って本線へと戻るETC未搭載の車両視点が確認できます。双方のラウンドアバウト中央島へは、カラー舗装によるエプロンの表現やシンボルツリーなどが設置され、安全性と景観に配慮された内容となっています。

  • ノミネート賞

    中国交通運輸部公路科学研究院

    トンネル照明の環境シミュレーション評価
    中国南東部で現在工事中の山間部高速道路の設計事例です。同じ道路区間において、「法面高勾配設計」と「トンネル設計」の2つの設計案をVRで表現し、それぞれ昼の日照環境と夜のライト照明を再現。実物のライト照射と併用して運転シミュレーションによる検証を行いました。

    見どころ

    シナリオ「シミュレーション評価実験」を実行すると、評価に使われたシミュレータのイメージや実験方法の説明を見ることができます。また、8パターンのシナリオを実行すると、実際に実験に使用されたコースを走行して、比較パターンのイメージを確認することができます。

  • ノミネート賞

    株式会社 東日

    国道414号大平地区高架橋景観検討
    静岡県沼津市に建設中の国道414号線静浦バイパスについて、⾼架橋区間の⾊彩等景観検討および完成形イメージ表現に⽤いるために作成されたVRデータ。協議⽤資料として⾼架橋主桁および街路灯について⾊彩12パターンの切り替えを設定、最終イメージ確認のためドローンによる空中写真からフォトモンタージュを作成しています。

    見どころ

    アニメーション「景観検討概要」を実行すると、実際に景観検討で使用された橋桁と街路灯の色彩イメージを確認できます。ベージュ、グレー、ブラウン、グリーンを組み合わせた12種類のパターンが紹介され、様々な視点から見ることができます。また、シナリオ「フォトモンタージュ写真」を実行すると、最終決定案のVRと風景写真を合成したイメージを見ることができます。

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