【解説】AppleのARKit 6はビジネスにどう活用できるのか
2022年6月26日

こんにちは。エム・ソフトの有村です。

日本時間の6月7日、Appleの年次開発者会議「WWDC(World Wide Developer Conference)」が開催され、次期OSであるiOS 16やM2チップを搭載した新しいMacBook Pro、MacBook Airなど、様々な発表が行われました。

それらの発表に合わせて、iOSとiPadOSにおけるAR機能の新バージョン「ARKit 6」についての情報が解禁となり、注目を集めています。
先日公開した記事ではその中でも、部屋の3D間取り図を簡単に作成できる機能「RoomPlan」に焦点を当てて解説をしました。

iPhone/iPadで簡単に3D間取り図作成!Appleが発表したRoomPlanとは?
https://biz-ar.jp/news/blog/2022/06/apple-roomplan/
こんにちは。エム・ソフトの有村です。日本時間の6月7日、Appleの年次開発者会議「WWDC(World Wide Developer Conference)」が開催され、次期OSであるiOS 16やM2チップを搭載した新しいMacBook Pro、MacBook Airなど、様々な発表が行われました。それらの発表の中で、iOSとiPadOSにおけるAR機能の新バージョン「ARKit 6」についての情報があわせて解禁となり、注目を集めています。また、その中でもひと際注目されているのが、新たに導入された「RoomPlan」APIというものです。今回は、新しく発表された「RoomPlan」についての解説と…

前回のARKitのアップデートは約1年ぶりでしたが、今回はどのような点が進化しているのでしょうか?

今回は、新しく発表された「ARKit 6」についての解説と、どんなことに活用できるのか?といった点について、ARやXRの分野に特化して解説をしていきたいと思います。

AR中の4K動画撮影が可能 画像キャプチャもより高解像度に

AR体験中に、バックカメラで4K動画を撮影することが可能になりました。
また、これにあわせてARオブジェクトも高品質なものを表示できるようになります。

AR空間内の映像品質が全体的に向上する為、よりリッチな体験が可能となります。
SNSでの共有やARを使った映像コンテンツを作成する方にとっては嬉しいアップデートですね。

またARKitセッション中に、より高解像度の背景画像をキャプチャできるようになりました。

これによって様々なARアプリにとってメリットがあると思いますが、
特に大きな影響があると思われるのが「Object Capture」です。


出典:Apple

Object Captureは、オブジェクト(対象物)の周りを1周しながらいろんな角度で写真を撮影することで、簡単に3Dモデルデータを作成できる機能です。
今回の画像キャプチャのクオリティ改善によって、よりリアルで高品質な3?モデルデータを作成できるようになります。

今回のアップデートでObject Captureの利用シーンがさらに広がるのではないでしょうか。

Object Captureについて詳しくはこちらをご覧ください。

たった数分で3DCGを作成!最新macOSの「Object Capture」とは?

平面認識の精度が向上

以前からARKitに搭載されている、平面認識をする為の機能「プレーンアンカー」の精度が向上しました。
これにより、平面の認識や方向等を特定する精度が向上し、より正確なARを体験することが可能になります。

ARは近年、ビジネス向けの利用が急速に発達しており、ARの技術を活用したアプリ・ソリューションを導入する企業が増えています。
そのような場合に、平面の認識精度やそれに伴うAR体験の品質・正確性が非常に強く求められています。

今回のプレーンアンカーの精度向上は、ARを業務に取り入れている企業にとってはメリットの大きいアップデートだと言えます。

モーションキャプチャーの精度が向上

iPhone/iPadのカメラを使ったリアルタイムモーションキャプチャは以前から使うことができましたが、今回のアップデートによって左右の耳のトラッキングに対応しました。
体全体のポーズの検出も改善されているようです。

また、たとえば体の一部が何かで隠れている場合やカメラの近くを歩いている場合、モーション追跡精度が下がる傾向がありましたが、その点も改善されました。

モーションキャプチャはアイディア次第で様々な活用方法が期待できるため、今後利用するユーザや企業がさらに増えていきそうですね。


出典:Apple

ロケーション・アンカーの対象地域が拡大 東京も追加

「Location Anchors(ロケーション・アンカー)」は、現実の有名スポットにARオブジェクトを置くことができる機能です。

こちらに対応している地域は世界の一部の都市のみだったのですが、今回新しくバンクーバー、シドニー、シンガポールなど、一部地域が追加されました。
そしてなんと、東京も追加されています。

ロケーションアンカーは実在する場所にCGのオブジェクトを置くことができ、みんなが同じ場所で同じオブジェクトを見ることが可能、という画期的な機能なのですが、
対象地域が少なく、利用する機会のある人はほとんどいませんでした。

しかし、今回のアップデートで日本の東京が地域に追加されたことにより、この機能がグッと身近なものになりました。
今後は色々な3?オブジェクトが東京で見れるようになるではないでしょうか。

たくさんの人、企業が参加して面白いアイディアがどんどん生まれてきそうですね!

ロケーションアンカーについては過去にこちらの記事でも紹介しています。よければこちらもご覧ください。

2020 Appleの新製品発表!最新ARKit4はどこが進化した?注目ポイントまとめ

まとめ

今回のアップデートは前回紹介したRoomPlanも含め、これからのAR、XRの可能性が広がるようなワクワクする情報が多かったように思います。
今後、いろんな人、企業によって新しいアプリ・ソリューションが作られていくかもしれませんね。

エム・ソフトもARKit 6を使ってでどのようなことができるか、XRで業務改善やDXを推進したいと考えている方向けにどのような形で関われるかを日々検討しています。
今後もAR、XRの開発についてのノウハウや解説など、開発者にとってお役に立てるような情報を随時発信してきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

エム・ソフトでは、iOSのVR、ARアプリ製品の開発、また点群を使ったアプリ等の開発を行っています。
これらの技術を活用したアプリケーション開発のご相談や、各種デモ・事例紹介のご依頼など、お気軽にご相談下さい。

詳しくは、エム・ソフトのウェブサイトで。

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