第21回 3D・VRシミュレーションコンテスト受賞結果
2022年11月21日

受賞結果

一般投票及び審査員の方々による厳正な審査の結果、グランプリ、準グランプリ、アイデア賞、エッセンス賞、3つの審査員特別賞および、VRシステムオブザイヤーが決定しました。2022年11月16日、品川インターシティホールとオンラインに於いて、表彰式を行いました。

▲表彰式の様子(2022年11月16日 品川インターシティホールとオンラインにて開催)

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    グランプリ(最優秀賞)

    大成建設株式会社

    ダム建設工事における重機3Dリアルタイムデジタルツインシステム

      自動建機群の協調制御システムとUC-win/Roadを連携させ、ダム建設現場におけるリアルタイム3Dモニタリング及び接近時の緊急停止システムを構築した。GNSSの位置情報を用いてUC-win/Road上で自動建機や作業員の位置を可視化、接近検知を行い、状況に応じて自動建機の監視者に対する警告や協調制御システムへの停止命令を出す仕組みとなっている。

      見どころ

      ダムの建設現場が大規模な空間に表現されています。シナリオを実行すると、重機の動きをモニタリングしてVR上でシミュレーションするイメージや、接近検知のイメージを見ることができます。

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    準グランプリ(優秀賞)

    日鉄エンジニアリング株式会社

    免制震デバイス効果体験地震シミュレーション

    地震時の建物の被害を軽減する免制震デバイスの効果を体験するコンテンツを制作した。HMDを用いたVRとモーションシートにより、耐震構造と免震構造、制振構造の揺れの違いを体感できる。倉庫、マンション、オフィスの空間を再現し、什器の転倒や落下といった物理シミュレーション、効果音を用いて状況を表現している。

    見どころ

    倉庫、マンション、オフィスの室内空間が再現されていて、自由に見て回ることができます。シナリオを実行すると、地震シミュレーションによる室内の揺れや重機の転倒、落下のイメージ、VRモーションシートによる体験の様子を見ることができます。

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    アイデア賞

    全羅北道交通文化研修院

    高齢ドライバー向け運転能力評価システム

    高齢ドライバーによる交通事故が増加する中、運転免許証の自主返納制度の効果は微々たるものです。自主返納を活性化するため、高齢者が自分の運転能力を認識できるシステムを開発しました。高齢ドライバーの交通事故が多い4地域について作成されたVRシナリオを、ドライビングシミュレータを使って運転することができ、運転終了後には評価結果が自動で出力されます。

    見どころ

    事故が多発する地域の道路が再現され、シナリオで運転することができます。説明用のシナリオを実行すると、評価用に作られたDSのイメージや評価内容、再現されている危険シーンを見ることができます。

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    エッセンス賞

    株式会社オリエンタルコンサルタンツ

    本厚木駅周辺における交通再現VRシミュレーション

    トランジットモールの検討等に用いるデジタルツインでのサイバー空間として、本厚木駅北側の約700m四方の範囲について道路と沿道景観を再現した。総延長約10kmの道路ネットワークを利用し、VISSIMによる交通シミュレーションを実施。解析結果をフィードバックし、VR上で広域の交通流・歩行者の流れを表現している。

    見どころ

    駅周辺の市街地が詳細に再現されています。アニメーションを再生すると、交通・群衆シミュレーションのイメージや今後の活用へ向けての説明を見ることができます。

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    審査員特別賞 Digital Control賞(関文夫氏)

    日鉄テックスエンジ株式会社

    工場構内における出勤退勤時の交通シミュレーション

    工場構内での工事にあたり、新設道路と大規模交差点改修計画のため交通シミュレーションをVR化。操業大型車両を優先にした道路形態で出退勤車両の渋滞を検証、対策案として出勤時と退勤時で逆走させる車線と交通流を表現し、信号現示検討に使用。交通量と区間別の速度制限、操業大型車両のパレットプール等、構内交通流計画に活用。

    見どころ

    アニメーションの再生により、出勤時と退勤時の交通流の違いを見ることができます。広大な工場構内での、特殊な操業大型車両を優先したレーンや交差点、信号現示、出退勤する乗用車の流れなどを確認することができます。

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    審査員特別賞 地域づくり賞(傘木宏夫氏)

    株式会社新日本コンサルタント

    山間部橋梁における維持管理の延命措置検討

    山間部の橋梁の架け替えの際にVRで検討を行った。点群を基に現況の構造をモデル化し、老朽化した箇所や全体が変形している様子等現在の状態を再現。架け替え後の片側の桁が撤去された状態の構造を切り替え表示し、桁が大幅に狭くなったことによるトラック通行時の支障箇所の有無を走行シミュレーションで確認している。

    見どころ

    修繕工事前後で橋梁の構造が大幅に変わっていることが、景観表示の切り替えにより確認できます。シナリオを実行すると、点群による現状の表現やトラックの通行シミュレーションを見ることができます。

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    審査員特別賞 Traffic simulation賞(原口哲之理氏)

    愛知県立大学

    車両-自転車-歩行者連携シミュレータシステム

    車両・自転車・歩行者シミュレータをUC-win/Roadのクラスタ・ネットワーク連携機能により、各機器の相互作用を考慮できるシミュレータシステム。NIRS(脳活動計測)、視線計測など、各種生体計測機器も連携。実験ログデータを一元管理可能。自動運転車両、モビリティに関わる研究等に幅広く利用されている。

    見どころ

    シナリオを実行することで、DSを使ってどのような実験を行っているか、どのようにデータを収集しているかの説明を見ることができます。

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    ノミネート賞

    深圳大学

    都市地下道路の交通標識及び安全VRシミュレーション

    中国南部のショッピングモールにある地下道のVRシーン。道路部分の長さは約1kmで、そのうち地下道部分が50%を占めています。 このシーンにおいて、VRシミュレーションを用いて地上道路からの車両の合流とトンネルからの車両の出入りの安全性をシミュレーションします。また、地下道に交通誘導標識の位置や種類を変えて配置することで、交通標識の配置について妥当性のある提案をします。 現在、このプロジェクトは第一段階に入っており、今後、トンネルを出入りする際の照明の調整により、ドライバーに与える暗所視や明所視の効果を改善するための研究を進めていく予定です。

    見どころ

    地下道路における合流部の構造が再現されています。シナリオを実行することで、シミュレーションの概要や標識配置のパターンのイメージなどを見ることができます。

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    ノミネート賞

    産業開発コンサルタント株式会社

    橋梁景観デザインVRシミュレーション

    橋梁景観検討地点の対象地及び周辺地区の景観・色彩特性を考慮し、景観対象となる親柱、高欄、歩道舗装の色彩や形状の比較検討において、3D・VRシミュレーションで検証した。VRシミュレーションで検証し、発注者との協議の円滑化により、これからの道路開通に向けて貢献していくことを目的としています。

    見どころ

    アニメーションを再生すると、橋梁が繋ぐ2つの対象地域の特性など、橋梁景観の検討に必要な背景要素を見ることができます。また、高欄の構造や照明、歩道の舗装、親柱の形状の比較などが表現され、検証後の橋梁を走行して確認することができます。

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    ノミネート賞

    三井共同建設コンサルタント株式会社

    DX技術(3DVRとPLATEAU)を活用した風力発電事業の推進~地方におけるスマートシティの実現に向けて~

    近年、スマートシティー化に向けた風力発電事業の推進が期待されている。ただし、関係者や漁業協同組合等への理解が必要であり、わかりやすい説明が重要である。一方、DX推進の中、PLATEAUモデルの有効活用が求められている。そこで、風力発電事業(陸上、洋上風力)をモデルに、DX技術である3DVRやPLATEAUモデルを活用した検討事例を紹介する。

    見どころ

    アニメーションを再生すると、海岸沿いの陸上、および洋上の風力発電事業の検討例を見ることができます。陸上では周囲の公園を含め観光資源としての活用、PLATEAUモデル配置によるシャドーフリッカーや騒音の影響範囲の検討、風車の色などの景観検討を紹介。洋上では施工方法や新たな漁場創出が表現されています。

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    ノミネート賞

    金秀建設株式会社

    橋梁上部工工事施工シミュレーション

    今回のシミュレーションは、橋梁架設現場で、施工順序を表現しています。本工事では、協力業者に時系列で入場するタイミングを感覚的にわかるように、また、作業員入場時安全教育に活用することを想定しています。今回の施工は途中引渡しですが、最終形まで作成することにより発注者へ完成時の景観についても視覚的にわかるよう表現しています。

    見どころ

    アニメーションを再生すると、橋梁の桁を架設する流れがシミュレーションされます。特に支承に関連する部分は詳細に表現され、桁の架設後も、舗装や高欄も含めて完成までにどのような流れで施工されていくのか分かりやすく表現されています。

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    VRシステムオブザイヤー

    国土交通省

    施工DXチャレンジ(遠隔施工等実演会)デジタルツインシステム

      F8VPSで構築されているVR国総研においてDX実験フィールドで開催される遠隔施工等実演会のバーチャル会場を構築。VR空間上には会場レイアウトと重機のほか、現場の映像がリアルタイムでバーチャル会場上でライブ配信される。デジタルツインプラットフォーム活用展開として、重機センサーの情報を取得し、VR上で現場と同期した重機の動作シミュレーションも可能としている。

      見どころ

      VR国総研内のDX実験フィールドが更新され、遠隔施工等実演会のバーチャル会場が再現されています。会場のレイアウトや重機のイメージを見ることができ、空間上に配置されたカメラから動画を閲覧もできます。格納庫をクリックすると、実演会のスケジュールが確認できます。

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