管理人のイエイリです。
建設会社や設計事務所でも、最近、3Dプリンターを備えているオフィスが増えてきました。
3Dプリンターで模型を作る方式は、溶かした樹脂を積み上げたり、石こうを固めたりする方法が一般的ですが、このほどJIPテクノサイエンスが作った鋼橋のモックアップ模型は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ナイロンの粉末
をレーザー光線で溶融・焼結して作られたのです。縮尺は70分の1です。
JIPテクノサイエンスが作成した、鋼橋の精密なモックアップ(写真・資料:JIPテクノサイエンス、宮地エンジニアリング。以下同じ) |
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模型のもととなった鋼橋の3Dモデル | |
造形に使用した3Dプリンター(左)と造形原理(右) |
同社の鋼構造物設計システム「MASTERSON」で設計した鋼橋の3Dモデルを、「STL形式」というデータ形式に変換・調整し、EOS社の「EOSINT」という3Dプリンターで造形したものです。
この3Dプリンターの特徴は、材料にナイロンの粉末を0.1~0.15mmの厚さで敷きならしてはレーザー光線を模型の断面に照射。粉末を溶融して固める、という方法を使っています。1cmの高さを造形するのに約1時間かかります。造形には、八十島プロシードのNextMED開発室が協力しました。
造形が終わった後、レーザー光を照射しなかったナイロン粉末を取り除けば、模型が出現するというわけです。中空の模型も簡単に作れます。
材料にナイロンを使っているので、
精密で頑丈な模型
が作れそうですね。ちなみに、造形できる最小厚は約0.5mmとのことです。
材料がナイロンなので薄い部材も精密に表現。床版を取り外せるところも、丈夫な感じが伝わってきます |
元データ |
まだ、造形費用は高いようですが、今後、コストダウンが進むことを期待したいですね。安くなれば、発注者との打ち合わせや技術提案、住民説明などで3Dプリンターの模型が大いに活躍しそうです。