地球の表面形状を3次元で表した3D地図は、いろいろな視点から地形の形を確認したり、津波や洪水の影響範囲を解析したりと、様々な用途に使える便利なものです。
NTTデータとリモート・センシング技術センター(RESTEC)は共同で、「全世界デジタル3D地図提供サービス」を3月に開始することになりました。
地図は(1)高さを示す数値標高モデルと、(2)地表面を真上から見たように補正した「正射投影画像(オルソ画像)」の2種類のデータからなります。また、要望に応じてカラーのオルソ画像も提供されます。
これらを組み合わせることで、3D地図になります。
「世界の3D地図ならグーグルアースがあるじゃないか」という方もおられるでしょうが、このサービスでは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
5mメッシュの高解像度
で、標高データが提供されるのです。
3D地図はこれまでも様々なものがありましたが、解像度は90mメッシュや30mメッシュが一般的でした。解像度の高い3D地図として、日本では国土地理院の「数値地図(国土基本情報)」があり、5mメッシュの標高データを持っています。最近、やっと日本全土のデータが整備されたところです。
「全世界デジタル3D地図提供サービス」はこれと同じ解像度で、全世界の3D地図を提供しようというのですから、すごいプロジェクトですね。
用途としては、道路や農業かんがいの計画などのインフラ整備、洪水や津波対策などの防災分野、飛行機の運用シミュレーションなどの交通分野など、無数の目的に使えるといっても過言ではありません。
3D地図の作成には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」によって撮影された、約300万枚の衛星画像を使っています。
この3D地図は国単位や任意の範囲で提供されます。気になるお値段ですが、
1km2当たり200円から
とのことです。
現在、NTTデータは世界中の3D地図を作成中で、2016年3月までに全世界の3D地図が完成する予定とのことです。また、JAXAは低解像度(30mメッシュ程度)の全世界標高データを整備し、無償公開することにしています。
建設業関係者にも、この3D地図は大いに役立ちそうですね。