大林組がハイブリッド木造方式で寮建設! BIMで自動加工し4t車で現場搬入
2022年8月31日

管理人のイエイリです。

大林組は2022年3月から仙台市青葉区で、「仙台梅田寮」の新築工事を行っています。

延べ面積3677m2の寮は、1階をRC造、2~3階を木造とした木造ハイブリッド構造を採用しました。

仙台梅田寮の完成イメージ図(以下の資料:大林組)

仙台梅田寮の完成イメージ図(以下の資料:大林組)

1階をRC造、2~3階を木造とした木造ハイブリッド構造を採用している

1階をRC造、2~3階を木造とした木造ハイブリッド構造を採用している

木造部分の構造材には、薄い板を何層も直交するように接着したCLT(直交集成板)パネルを使っています。

しかし、普通のCLTパネル工法とは異なり、あらかじめ工場で壁や天井を組み立てておく同社独自の「CLTユニット工法」を採用しています。

しかも、今回はさらに高品質、短工期を実現するため、木材の設計図から加工図までを一つのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルに取り込み、天井や壁などの部材を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

図面なしで自動加工

しているのです。(大林組のプレスリリースはこちら

CLTユニット工法の概念図。今回の工事では、各部材をBIMデータから図面なしで自動加工した

CLTユニット工法の概念図。今回の工事では、各部材をBIMデータから図面なしで自動加工した

工場でユニットを作るというと、壁、天井、床からなる四角い部屋のような形を想像しますが、今回はあえて壁と天井だけの門形のユニットにしました。

その理由は、各ユニットを4tトラックで運べるサイズ(幅2200mm×高さ2800mm×長さ6000mm)に抑えるためです。

これだと、大型車両が通行できない車両規制道路でも、搬入が可能になるので、CLTユニット工法が使える場所が広がります。

そして壁と天井パネルの接合には、酒ますなどに使われている「あられ組」に、木栓を打ち込んでより強固に結合させる「改良あられ組」を開発し、導入しています。これによって木材をつなぐ金物が不要になり、コストを削減できます。

木栓を打ち込む「改良あられ組」のイメージ図

木栓を打ち込む「改良あられ組」のイメージ図

このほど、工場製作されたユニットを、現場に据え付ける作業が始まりました。約120個のユニットを、9月末までに据え付けるので、従来の鉄骨造に比べると約1.5カ月も工期を短縮できます。

現場でのユニット据え付けには、同社が開発したビジュアル工程管理システム

プロミエとクレーンを連携

し、部材ごとの据え付け日程と施工実績を効率的に管理しているほか、BIMモデル内の数量情報と連携して出来高管理も行っています。(プロミエについては、2022年5月17日付けの当ブログを参照

ビジュアル工程管理システム「プロミエ」で工程を見える化した例。画面の現場は今回と異なります

ビジュアル工程管理システム「プロミエ」で工程を見える化した例。画面の現場は今回と異なります

プロミエで出来高管理を行った例。画面の現場は今回と異なります

プロミエで出来高管理を行った例。画面の現場は今回と異なります

この寮全体では、国産スギ材を925m3使用しました。これによって、536tのCO2を長期間、固定できます。

木材をふんだんに使ったこの寮の完成イメージを見ると、温かみや癒やしを感じ、快適そうですね。大林組はZEH(ネットゼロエネルギーハウス)やWELL認証の取得も目指しているとのことです。

ラウンジの完成イメージ

ラウンジの完成イメージ

寮室の完成イメージ

寮室の完成イメージ

海外で行われているプレハブ工法は、部屋を丸ごと工場で作る「PPVC(Prefabricated Prefinished Volumetric Construction)」などが使われていますが、道路事情の厳しい日本では、輸送できるサイズが限られます。

今回、BIMで4tトラックに載るサイズにユニットを設計し、現場への搬送、据え付けが実現したことは、 木造建築の工場生産化が加速するきっかけになりそうですね。

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