管理人のイエイリです。
オートデスクの看板BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト、Revitは今年の新バージョンから永久ライセンスはなくなり、使用期間に応じて料金を払う「サブスクリプション」に一本化されました。
3月22日、東京・晴海のオートデスク本社で開催された記者発表会で、4月14日に発売される最新版「Revit 2017」の進化が明らかになりました。
特徴的なのはまず、これまで単体で販売されていたRevitは、意匠設計用の「Architecture」、構造設計用の「Structure」、設備設計用の「MEP」の3つのバージョンに分かれていましたが、新バージョンからはこれら3つのバージョンが統合されます。
そして守備範囲が施工寄りに広がり、従来よりも詳細なBIMパーツが使いやすくなりました。
その一つは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ボルト付き鉄骨継ぎ手
などのパーツが追加されたことです。
従来の鉄骨継ぎ手部は、H形鋼のウェブがつながっていませんでしたが、ボルト付き鉄骨継ぎ手のBIMパーツを使うとウェブ同士がしっかりと接続され、ボルトの配置などもパラメーターによって設定できるようになっています。
また、溶接などで使われるウェブに切り欠きのある継ぎ手パーツも追加されました。
また、設備設計では基本設計段階で入力したエルボなどのパーツを、施工に使う工場製作されたパーツにワンタッチで入れ替える機能も付きました。BIMモデルを少しずつ外観、属性情報を詳細化していくのに便利そうです。
じわじわと詳細化や工場製作化の方向に動いているので、Revitが詳細設計用のBIMソフト「TeklaStructures」などの領域にも入っていくのかと思い、質問してみました。
オートデスクの回答は「そんなことは考えてない」とのことでした。というのも、同社の米国本社では、「Advance Steel」という詳細BIMソフトも既に販売しているからです。
同社はコメントを避けましたが、今後、詳細BIMのニーズが増えてくれば、このソフトが日本でも発売されるのかもしれませんね。
そして、BIMならではの図面表現機能も追加されました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
2D図面で奥行き感
を図面の濃淡によって表現できるようになったのです。
サブスクリプション化で価格がどうなるのかが気になる方もおられると思いますが、1年間サブスクリプション、シングルユーザーの場合で1ライセンス35万3000円(税別)です。
また、コラボレーション機能などを省略した簡易版の「Revit LT 2017」は、同じ条件で6万6000円です。
永久ライセンスと違って、毎年、サブスクリプションの料金を払うのは大変と思っている方は、これらの価格を「安い」と思えるくらい、ソフトの機能を使い倒して生産性向上による利益を享受したいですね。