深夜も黙々と作業!大成建設と千葉工大が鉄筋結束ロボを開発
2017年10月18日

管理人のイエイリです。

国土交通省の調べによると、鉄筋コンクリート工100m3当たりに要する作業員数は、1984年に12人だったのが約30年後の2012年でも11人と、ほとんど横ばいの状態が続いています。

その理由は、鉄筋を1本1本、現場に配置して針金などで結束するなど、いまだに作業員による手作業が多く残っているからです。

この配筋作業の生産性を上げようと、大成建設と千葉工業大学は共同で、自動的に鉄筋を結束する自律型鉄筋結束ロボット「T-iROBO Rebar」を開発しました。

鉄筋付きデッキプレートを使った床鉄筋工事用に開発されたもので、床上の鉄筋上を縦横に動き回りながら、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

鉄筋の交差部を自動結束

 

してくれるものなのです。

自律型鉄筋結束ロボット「T-iROBO Rebar」(特記以外の写真、資料:大成建設、千葉工業大学)

自律型鉄筋結束ロボット「T-iROBO Rebar」(特記以外の写真、資料:大成建設、千葉工業大学)

床上に格子のように配筋された鉄筋の上を縦横に動きながら交差部を自動結束する

床上に格子のように配筋された鉄筋の上を縦横に動きながら交差部を自動結束する

ロボットの大きさは幅40cm×奥行き50cm×高さ30cm、全重量は20kg以下と、作業員1人でも持ち運べます。

本体には2種類のレーザーセンサーが搭載されており、鉄筋交差部の検出と周辺障害物の検知を行い、高精度で位置決めをします。

そして鉄筋結束機をによって正確に鉄筋の結束を行い、次の結束場所へと移動します。

車輪の断面は中央がくぼんだ「テーパー車輪」となっており、デッキプレートに付属した鉄筋をレールとして利用します。鉄筋結束時には、

 

レールにしっかり反力

 

を取りながら作業するため、本体がぶれないというメリットもあります。

車輪の断面は中央がくぼんだ「テーパー車輪」になっている

車輪の断面は中央がくぼんだ「テーパー車輪」になっている

鉄筋付きデッキプレートのイメージ。鉄筋を走行レールや作業時の固定点として利用する(写真:家入龍太)

鉄筋付きデッキプレートのイメージ。鉄筋を走行レールや作業時の固定点として利用する(写真:家入龍太)

大成建設と千葉工大は2018年度からこのロボットを本格的に現場導入して、ロボットの性能や使い勝手、耐久性などの機能向上を図っていく予定です。

床上の鉄筋結束は、中腰で行う必要があるので鉄筋工の身体的負担が大きい作業でした。これをロボットが引き受けてくれると、鉄筋工の方も大いに助かりますね。

また、ロボットは現場が寝静まった深夜も黙々と作業してくれます。施工スケジュールが遅れがちな時期の朝、施工管理担当者が現場に出てきたら、床鉄筋の結束作業が終わっていて、つい笑顔になるというシーンもこれから出てきそうですね。

大成建設によると鉄筋工事のうち、鉄筋結束作業は約20%を占めているとのこと。単純計算だとこの作業をロボット化できれば、20%の労働生産性が上がることになります。

(Visited 3 times, 1 visits today)

Translate »