管理人のイエイリです。
木造住宅の下地から仕上げまでを担う「造作大工」と呼ばれる職人さんの分野では、若手が大幅に減っています。
賃貸住宅の大手、大東建託の現場では、2012年度に比べて、10代から20代の造作大工の数は約半数に減っているというのです。
また、低層住宅の現場で起こる労働災害は、大工さんによるものが約半数を占め、その原因は丸鋸と釘打ち機・ビス留め機によるものが特に多くなっています。
こうした住宅現場の状況を改善するため、大東建託は
ナ、ナ、ナ、ナント、
ビス留めロボット
を開発し、昨日(2019年3月19日)から現場での試行運用を開始したのです。
このビス留めロボットは、2017年からエイチ・アイ・ディー(本社:福岡県北九州市)と共同開発してきたもので、名前は「D-AVIS(デービス)」と言います。
賃貸住宅など小規模な建物の建築現場で、作業員の隣で働くことを想定しているため、小型・軽量で、安全面には特に配慮されています。
操作は大東建託が1998年に導入した、同社独自の現場管理システム「名監督システム」を使って行います。
このシステムはタブレット端末などで施工状況などのデータを一元管理するものです。トップ画面から「D-AVIS操作」を選び、続いて作業する部屋を選ぶと図面が出てくるので、図面通りに「D-AVIS」を配置します。
そして起動ボタンを押せば、「D-AVIS」がビス留め作業を開始するという仕組みです。
石こうボードなどを下地材に取り付ける際、単調で大量にあるビス留め作業をこのロボットがやってくれると、大工さんも助かりますね。
大東建託では、このロボットを
2020年12月に実用化
することを目指しています。
ちなみに「D-AVIS」という名前は、このロボットの特徴であるDisassembly(分解)、Assemble(組み立てる)、Variety(多様性)、Innovative(革新的な)、Smart(素早い)の頭文字を取ったものだそうです。
日本では今後も数十年にわたって少子高齢化による生産年齢人口の減少が続きそうです。建設業でも人間に代わってロボットが同僚になるという時代が、そろそろ現実になりつつあるようですね。