東急建設が統合BIMモデルを事前投入! 建築工事の生産性30%アップを目指す
2021年5月18日

管理人のイエイリです。

東急建設は建築工事の生産システム改革の要として、設計図書をBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)化した「BIMファーストモデル」を2019年1月から活用しています。

このモデルを使って、施工計画を着工前の検討から、実際の施工に使うレベルまで進化させ、日々の管理に利用しています。

例えば、2018年10月に中部国際空港にオープンした複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」の建設では、ボーイング787初号機を駐機場から建設中の建物に移動させ、固定する困難な作業にBIMを活用しました。

移動中に機体が干渉する電柱や植栽をBIMモデルで明らかにして動線を確保し、ギリギリに建てられた建屋内に機体を引き込み、ジャッキアップして固定するまでの作業を無事、終えたのです。

ギリギリに作られた建屋に引き込まれたボーイング787初号機(以下の写真、資料:東急建設)

BIMモデルによって移動経路上の干渉物をチェックした画面

当初は構造BIMだけでしたが、年々利用が拡大し、効果が確認できたことから、2021年度からは外装や一部の内装、外構、そして設備までの設計情報を含む統合BIMモデルを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

着工前の建築作業所

に投入することになったのです。(東急建設のプレスリリースはこちら

構造から内装、設備までの設計情報を含む「BIMファーストモデル」のイメージ

このBIMモデルを活用することで、工事関係者との合意形成を迅速化するほか、フロントローディング(業務の前倒し)による生産性の向上、数量の正確な把握など、さまざまな効果が期待できます。

また同社は2021年3月25日に、プレキャストコンクリート製品の製造・販売を行うスパンクリートコーポレーション(本社:東京都文京区)と共同で、岩瀬プレキャスト(本社:茨城県桜川市)という合弁会社を設立しました。

BIMを活用して施工現場の仕事を効率化するだけでなく、工場でのプレキャスト部材生産などにも活用し、

工事の生産性30%向上

を目指しています。

BIMをプラットフォームとして活用し、着工前の施工計画からプレキャスト部材製作の自動化、維持管理までの建築生産システム変革を目指すイメージ

BIMの活用方法にはこれまで、「施工計画にだけ使う」とか「複雑な部分だけモデル化する」とか、いろいろな考え方がありました。

東急建設は、BIMファーストモデルを起点として、施工段階に応じてモデルを進化させていく一貫的なBIM活用がベストという結論に達したようですね。

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