管理人のイエイリです。
前田建設工業は、千葉大学の平沢研究室と共同で木工用のロボットアーム型加工機を開発し、2018年4月に発表しました。(詳しくは、2018年4月27日付の当ブログ記事を参照)
このほど前田建設工業と前田製作所(本社:長野市)は、このロボットを
ナ、ナ、ナ、ナント、
WOODSTAR
と命名し、全国のプレカット工場に販売をスタートしたのです。(前田建設工業のプレスリリースはこちら)
WOODSTARは、2台のロボットアームがペアとなり、アーム先端に自動ツール交換機を装着して、上下方向3m、奥行き方向1.25mという大型部材を加工できるのです。
ロボットアームは6軸の自由度を持ち、ロボットまたは加工材をレールで移動させることで、長さ方向の制限もなくなります。
前田建設工業はこれまで、同社の技術開発拠点であるICI総合センターにWOODSTARを設置し、多くの自社案件での木材加工に活用し、大判のCLT(直交集成板)や化粧外装材、アート作品などを作成してきました。
ただ、これらの加工は開発者がマニュアル操作で行っていたため、一般のオペレーターが使うのは難しい面もありました。
そこで今回、加工形状の作成からロボット操作の設定までを半自動で行える専用ソフトを開発しました。その結果、他の加工機に慣れた工場のオペレーターでも簡単に操作できるようになったのです。
典型的な部材の接合部は、あらかじめメニュー化してあり、
BIMデータを利用
することができるので、恐竜の骨格や女神像などの複雑な曲線からなる造形物も加工できます。
メニューにない特殊な形状については、動作設定を代行するサービスも提供します。
前田建設工業、前田製作所、前田道路の3社は2021年10月1日に、インフロニア・ホールディングス(本社:東京都千代田区)という共同持ち株会社を設立し、同日、東証一部に上場(コード:5076)しました。総合インフラサービス企業の実現を目指しています。
このロボット事業では、前田建設工業の技術開発力や木造建築についての知見と、前田製作所の機械製作・販売についての豊富な経験という強みを生かし、2025年までに売上高35億円を目指しています。