管理人のイエイリです。
西松建設は、西華デジタルイメージ(本社:東京都港区)と共同で、ある試験装置を開発しました。
装置の上には土を入れる「ホッパー」があり、そこからパラパラと材料を落下させながら、カメラでパシャパシャ、連続的に写真を撮っていきます。
この装置が作られた目的は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
盛り土材の粒度試験
を現場で行うためだったのです。(西松建設のプレスリリースはこちら)
粒度試験は「ふるい分け試験」とも言われるように、土砂をメッシュサイズの異なる十数個のふるいを目の粗い順に積み重ね、それぞれのふるいに残った土砂の重量比を、累積曲線で表したものです。
これまでの粒度試験は、試験室を設けて手作業でふるい分け試験を行っていました。
今回、開発された試験装置は、ふるい分けの代わりに、土粒子をホッパーからパラパラと落としながらカメラで撮影する「落下方式」を採用し、画像解析によって粒径や量を測定するという“斜め上”の発想を採用したのが特徴です。
一方、粒径が小さな土砂は、試料をシャーレ状の容器に広げ、装置内で上から撮影する「定置方式」によって、同様に粒径などを計測できます。
2種類の測定方法を用いることで、75マイクロメートル(μm)から75mmまでの幅広い粒径の測定が可能になりました。
ふるい分けの代わりにカメラを採用したことにより、土砂の色も測定できるようになりました。そのため、粒度が近い土砂でも、色の違いによって別の土砂として判定できます。
この試験装置は、写真のように軽量、コンパクトなので、現場に手軽に持ち込んで計測できます。
そして、生産性向上という点では、これまでのふるい分け試験では、結果が出るのに2日以上、かかっていたのが、
わずか数十分
に短縮されたのです。スピードは100倍くらいに上がったことになりますね。
気になる精度ですが、下のグラフのように従来のふるい分け試験に比べてもよく合っており、精度の高い測定が行えます。
手作業が中心だった土木・建築関係の試験も、建設DX(デジタル・トランスフォーメーション)の流れに乗って、革新が始まっているようですね。