3D木工技術のノウハウを全面公開! 業界の異端児、アーティストリーが「CNC LAB」を愛知に開設
2022年12月14日

管理人のイエイリです。

木工と言えば、小中学校の授業で経験したように、ノコギリやノミ、カンナなどの手工具でコツコツと木材を切ったり、彫ったりする作業を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

しかし、時代は進んでいます。“木工業界の異端児”と呼ばれるアーティストリー(本社:愛知県春日井市)の工場脇に設置されている「わの休憩所」は、従来の木工イメージを打ち破り、3D曲面で構成されたデザインです。(建設過程は、同社プレスリリースを参照

工場脇に設置されている「わの休憩所」(以下の写真、資料:アーティストリー)

工場脇に設置されている「わの休憩所」(以下の写真、資料:アーティストリー)

その珍しさから、2021年3月の完成後、この休憩所を目的とした見学者が県内外から200人近くも訪れました。

そこで同社は、こうした最先端の「3D木工」技術を日本で普及させ、木工業界を活性化させようと、2022年11月に工場内に「CNC LAB」を開設しました。

そこには、木工先進国であるイタリアのBIESSE社から、

ナ、ナ、ナ、ナント、

5軸CNC木工機械

を輸入し、設置してあるのです。(アーティストリーのプレスリリースはこちら

イタリアBIESSE社から輸入した5軸CNC木工機械

イタリアBIESSE社から輸入した5軸CNC木工機械

5軸のロボットアームを備え、複雑な3D曲面を切削できる

5軸のロボットアームを備え、複雑な3D曲面を切削できる

CNC(Computer Numerical Control)とは、コンピューター数値制御によって、自動的に加工を行う工作機械です。CNC LABの機械は「5軸」なので、刃物の位置や向きを5つの方向に独立して動かせるので、複雑な3D曲面もスイスイと切削できるのです。

アーティストリーは、3D木工の先駆者として、これまでも内装家具の分野にとらわれず、サウナや建築などの建設に携わってきました。

例えば、北海道・知床にある北こぶし知床ホテル&リゾートの改装で製作したサウナ室は、木の洞窟をイメージした3D曲面で、流氷を見ながらサウナを楽しめると、サウナ評価サイト「サウナシュラン」で2年連続入賞したほどです。

木の洞窟をイメージし、流氷を見ながら入れる3Dサウナ

木の洞窟をイメージし、流氷を見ながら入れる3Dサウナ

また、建築家 隈研吾氏が設計した英国アンティーク博物館 BAM鎌倉の正面ファサードの製作にも携わりました。

鎌倉彫りから着想を得て隈研吾氏がデザインしたBAM鎌倉の正面ファサード

鎌倉彫りから着想を得て隈研吾氏がデザインしたBAM鎌倉の正面ファサード

日本には、同社のようなデジタル木工技術を持ち、ユニークな形状の木工が行える会社はほかにもあります。

しかし、「守秘義務」などのため“縁の下の力持ち”として、表に名前が出ないため、建築家やデザイナーとの接点ができず、なかなか3D木工が普及しないという事情もあります。

こうした課題を解決しようと、アーティストリーは3つの視点から、3D木工の

ノウハウを全面公開

し、業界全体を活性化しようとCNC LABを立ち上げたのです。

CNC LABの竣工式の様子

CNC LABの竣工式の様子

(1)クリエイティブ(創造)LABでは、建築家やデザイナーを招待し、頭と体を動かしながら3D木工の新たなアイデアを創造する場を提供、(2)トレーニング(訓練)LABでは、同社の技術開発や教育制度を公開し、3D木工のトレーニングを実施、(3)イノベーション(技術革新)LABでは、家具用のHOMAG社、中規模建材用のBIESSE社の5軸CNCを使って新たな加工ニーズに対応、という活動を行っていきます。

アーティストリーはウェブサイトのほか、各種SNSでも積極的に情報発信を行っています。3D木工技術にご興味のある方は、ぜひフォローしてみてくださいね。

ウェブサイト:http://www.artistry.co.jp/
instagram:https://www.instagram.com/artistry_tech/
Twitter:https://twitter.com/Artistry_3D
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCPtkOxJOLmnKXXUMx7ErAQw

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