管理人のイエイリです。
木工と言えば、小中学校の授業で経験したように、ノコギリやノミ、カンナなどの手工具でコツコツと木材を切ったり、彫ったりする作業を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし、時代は進んでいます。“木工業界の異端児”と呼ばれるアーティストリー(本社:愛知県春日井市)の工場脇に設置されている「わの休憩所」は、従来の木工イメージを打ち破り、3D曲面で構成されたデザインです。(建設過程は、同社プレスリリースを参照)
その珍しさから、2021年3月の完成後、この休憩所を目的とした見学者が県内外から200人近くも訪れました。
そこで同社は、こうした最先端の「3D木工」技術を日本で普及させ、木工業界を活性化させようと、2022年11月に工場内に「CNC LAB」を開設しました。
そこには、木工先進国であるイタリアのBIESSE社から、
ナ、ナ、ナ、ナント、
5軸CNC木工機械
を輸入し、設置してあるのです。(アーティストリーのプレスリリースはこちら)
CNC(Computer Numerical Control)とは、コンピューター数値制御によって、自動的に加工を行う工作機械です。CNC LABの機械は「5軸」なので、刃物の位置や向きを5つの方向に独立して動かせるので、複雑な3D曲面もスイスイと切削できるのです。
アーティストリーは、3D木工の先駆者として、これまでも内装家具の分野にとらわれず、サウナや建築などの建設に携わってきました。
例えば、北海道・知床にある北こぶし知床ホテル&リゾートの改装で製作したサウナ室は、木の洞窟をイメージした3D曲面で、流氷を見ながらサウナを楽しめると、サウナ評価サイト「サウナシュラン」で2年連続入賞したほどです。
また、建築家 隈研吾氏が設計した英国アンティーク博物館 BAM鎌倉の正面ファサードの製作にも携わりました。
日本には、同社のようなデジタル木工技術を持ち、ユニークな形状の木工が行える会社はほかにもあります。
しかし、「守秘義務」などのため“縁の下の力持ち”として、表に名前が出ないため、建築家やデザイナーとの接点ができず、なかなか3D木工が普及しないという事情もあります。
こうした課題を解決しようと、アーティストリーは3つの視点から、3D木工の
ノウハウを全面公開
し、業界全体を活性化しようとCNC LABを立ち上げたのです。
(1)クリエイティブ(創造)LABでは、建築家やデザイナーを招待し、頭と体を動かしながら3D木工の新たなアイデアを創造する場を提供、(2)トレーニング(訓練)LABでは、同社の技術開発や教育制度を公開し、3D木工のトレーニングを実施、(3)イノベーション(技術革新)LABでは、家具用のHOMAG社、中規模建材用のBIESSE社の5軸CNCを使って新たな加工ニーズに対応、という活動を行っていきます。
アーティストリーはウェブサイトのほか、各種SNSでも積極的に情報発信を行っています。3D木工技術にご興味のある方は、ぜひフォローしてみてくださいね。
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