管理人のイエイリです。
山岳トンネルの掘削最前面である「切羽(きりは)」の地質観察は、トンネルの施工管理で非常に重要です。
しかし、岩盤の崩落などの危険があるため、切羽近くは基本的に立ち入り禁止です。切羽観察は重機を停止させた後、離れた場所で行うことが必要なため、生産性と安全性をいかに両立させるかが課題でした。
この課題を解決するため、鹿島建設のある山岳トンネル現場では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
掘削中にドローンを飛行
させ、切羽直近まで近づいて観察することに成功したのです。(Skydioのプレスリリースはこちら)
切羽の観察に使われたドローン(無人機)は、Skydio(本社:東京都港区)のものです。
SkydioはAI(人工知能)による自律飛行に強く、GNSS(全地球測位システム)の電波が届かないトンネル内でも、「Visual SLAM」という方法でドローンの位置を把握しながら安定して飛行する技術を持っています。
複雑な構造物に沿って自律飛行を行い、様々な角度から精緻な映像を撮影できるため、橋梁やインフラなどの点検業務にも使われています。
Skydioのドローンを導入した鹿島のトンネル現場では、切羽から離れた場所にいる経験豊富なトンネル技術者が、ドローンから送られてくる映像をリアルタイムに観察できるようになりました。
その結果、掘削作業中に
崩れる地山の様子
も近距離から観察できるようになったのです。
地山の地質の判定や掘削面に吹き付けるコンクリートの厚さ、地山の亀裂や湧水の有無などを合理的に判断できるようになりました。
作業を止めずに、これまで以上の近さで詳細に、かつ「動く切羽」まで観察できる時代になったとは、“一石三鳥”の効果と言っても、過言ではありませんね。
Skydioは、自律飛行する遠隔操作ドローンの基地として、小型軽量の「Skydio Dock」と「Skydio Dock Lite」という2つの新製品を2022年12月8日に発売しました。(Skydioのプレスリリースはこちら)
遠隔操作や自律飛行できるドローンは、今後、不整地や障害物などの多い様々な工事現場を遠隔管理するためのテレワークツールとしても活用が進んでいきそうです。