管理人のイエイリです。
日揮グループの日揮グローバル(本社:横浜市西区)は、デンマーク・COBOD International A/S(以下、COBOD社)製の建設用3Dプリンターを導入し、2021年10月から本格的な導入に向けての実証を行ってきました。(2021年7月5日付の当ブログ参照)
その内容は、ベールに包まれていましたが、このほど成果が明らかになってきました。
同社は2022年6月、日揮が宮城県石巻市で施工中のバイオマス専焼発電設備の工事で、日本企業として初めて、プラント施設の配管基礎の埋設型枠を3Dプリンターで造形しました。
その際、造形材料には3Dプリンター用の特殊なモルタルを使わず、
ナ、ナ、ナ、ナント、
現地調達の普通の材料
を現地で混練したモルタルやコンクリートを使ったのです。(日揮ホールディングスのプレスリリースはこちら)
3Dプリンターで埋設型枠を造形し、その中に従来のように生コンクリートを流し込んで配管用の基礎を施工しました。
その結果、現場での型枠組み立てやコンクリート打設後の脱型作業が不要になり、工期の短縮が可能になったのです。
日揮グローバルは、従来工法と3Dプリント型枠で同時施工を行い、工期を比較しました。
基礎の埋め戻し作業を含めて、従来工法では16日間かかったのに対し、3Dプリンターで造形した型枠を使った場合は、
半分の8日間
で施工を完了できるめどが立ったとのことです。
このほか、3Dプリンターの操作も、特殊で専門的なトレーニングを受けた人員に頼らないでできることを目指しています。
日揮グローバルでは、同年7月から3Dプリンターを茨城県内に移設し、現地調達できる一般的な材料を使ったオンサイトプリンティング(屋外での現地造形)の有効性評価を続けています。
「普通の材料」と「普通の技術者」によって3Dプリンターによる施工が可能になると、3Dプリンターの現場導入はぐっと加速しそうですね。