管理人のイエイリです。
電力を安定的に供給するインフラ設備として、送電鉄塔では定期的な点検が行われており、その手段として今やドローン(無人機)が使われる時代になりました。
ドローンベンチャーのテラドローン(本社:東京都渋谷区)は、九州電力送配電(本社:福岡市中央区)の鉄塔をドローンで点検していますが、これまでは手動操作のため22万ボルト級の鉄塔では、1基あたり約110分を要していました。
時間がかかっていた理由は、劣化状況を詳細に確認する必要がある「碍子」(電気を絶縁する部材)を一個一個撮影するため、手動による飛行操縦やカメラの向き、ズーム調整などを行っていたためです。
この作業を効率化するため、テラドローンは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIで碍子を自動検知
し、ドローンに搭載したカメラの調整や撮影を全自動で行う自動鉄塔点検システムを開発したのです。(テラドローンのプレスリリースはこちら)
このシステムは、鉄塔の形状に合わせて自動でドローンの飛行経路を生成して自動的に操縦できるほか、碍子はAI(人工知能)が自動的に検出し、カメラのズームアップや撮影もすべて自動で行います。
その結果、鉄塔の点検作業は操縦者と監視者の2人体制で行うことができ、22万ボルト級の鉄塔の点検を1基当たり約60分で行えるようになりました。点検時間は従来に比べて約50%も削減されます。
九州エリアには約2万5000基の鉄塔がありますが、そのうち、このシステムは標準的な形状の鉄塔、
約1万5000基に適用
できるため、運用を拡大していくとのことです。
テラドローンでは今後、特殊な形状の鉄塔にも適用できるように開発を進めるほか、ドローン飛行の規制緩和による全国各地への展開にも取り組むとのことです。
以前は人間が鉄塔に上って点検していたのが、ドローンに代わり、さらにAIによる自動化と、送電鉄塔の点検は急速に生産性が上がっているのには、驚かされますね。