WSPと九大が能登半島地震後の海底を3Dスキャンし段差を確認! 磁力データの計測で新発見も
2024年5月8日

管理人のイエイリです。

2024年の元日に発生した能登半島地震では、能登半島の北岸で地盤が隆起し、漁港が干上がるなどの被害が発生しました。

しかし、沿岸の海底地形がどうなっているのかについては、はっきり分かっていませんでした。

そこでワールドスキャンプロジェクト(本社:東京都新宿区。以下、WSP)と九州大学浅海底フロンティア研究センターの菅浩伸センター長らの共同研究チームは、地震後初めて、

ナ、ナ、ナ、ナント、

海底を3Dスキャン

し、能登半島北岸の沿岸海底地形の詳細な3Dデータを取得することに成功したのです。(WSPのプレスリリースはこちら

能登半島地震後の沿岸浅海底の3D地形データ(以下の資料、写真:WSP)

能登半島地震後の沿岸浅海底の3D地形データ(以下の資料、写真:WSP)

海底の3Dスキャンにはマルチビーム音響測深機を使い、2024年4月27日~5月5日の間、行われました。

調査場所は、輪島港周辺の航路や漁場のほか、名舟海岸沖、竜ケ崎と大尖岩の間、そして大谷町と片岩町の沖です。

取得した海底の3D地形データから、地震によって新たにできた可能性がある高低差3~4mの段差を断続的に確認できました。

この海底地形情報は、港周辺の安全な航路を確保するために、周辺地域に提供する予定です。

この調査では3D地形の計測のほか、WSPが開発した新型磁界センサー「JIKAI」も活用し、

水中の磁力データ

も計測しました。

新型磁力センサー「JIKAI」を搭載した水中磁力調査機

新型磁界センサー「JIKAI」を搭載した水中磁力調査機

この磁力センサーは縦18cm×横17cmと、一般の磁界センサーよりも超小型になっており、ドローン(無人機)や水中ドローンなどに搭載し、地中や水中の金属を精密に探知できます。

つまり、3D地形データに磁力の“属性情報”を付けることができるのです。

このデータによって、水中では沈没船や水中機雷、地上では埋設された地雷やレアアースなどを効率的に発見することができます。

WSPでは今後、様々な調査に「JIKAI」を導入する予定です。3Dスキャンデータに磁力データなど、別のデータが組み合わさることで、新たなビジネスが生まれそうですね。

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