日立建機、HMSなどが「IP65」の防水・防塵スマートグラスを開発! ARで現場を遠隔支援
2025年3月21日

建設現場でAR(拡張現実)を使って施工管理を効率化を図ろうとしても、市販されているAR対応のヘッドマウントディスプレーやスマートグラスは屋内用のものが多く、雨や粉塵にさらされる建設現場ではなかなか気軽に使えませんでした。

そこで日立建機HMS(本社:福岡市博多区)、ホロライト(Holo-Light GmbH。本社:オーストリア インスブルック)は、建設現場向けに耐久性を高めたAR対応のスマートグラス「ConSite」を開発しました。

現場向けに開発されたARスマートグラス「ConSite」の使用イメージ(以下の写真、資料:日立建機)

現場向けに開発されたARスマートグラス「ConSite」の使用イメージ(以下の写真、資料:日立建機)

その防水・防塵性能は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

「IP65」のレベル

で、粉塵の侵入がなく、あらゆる方向からの噴流水に影響を受けない仕様となっています。(日立建機のプレスリリースはこちら

ARスマートグラス「ConSite」の外観。ヘルメットに取り付けるタイプもある

ARスマートグラス「ConSite」の外観。ヘルメットに取り付けるタイプもある

このスマートグラスは、建設機械の遠隔メンテナンスを行うサービス員のために開発されました。

サービス員はサービスマニュアルや部品カタログなど、複数のデータをスマートフォンやタブレットで閲覧しながら業務を行っています。

しかし経験の浅いサービス員にとっては、両手がふさがるのでモバイル端末の操作が難しい、複数データの同時閲覧ができない、オンライン通話だけでは遠隔地にいる熟練者と意思疎通が図りにくいといった課題がありました。

そこで日立建機は建設現場向けに必要な機能を検討し、HMSがスマートグラスを開発し、ホロライトはARに必要な大容量データをスムーズに送るストリーミング技術を提供することで、現場用のスマートグラスが完成したのです。

ARストリーミング技術によって周囲の実際の風景に複数の画面を重ねて表示し、スマートグラスのボタンと指の動きによって操作できます。

ハンズフリーで様々な資料を見られる

ハンズフリーで様々な資料を見られる

現場に建機の3DモデルをARで重ねて表示したところ

現場に建機の3DモデルをARで重ねて表示したところ

また、サービス員が装着しているスマートグラスのカメラ映像をオフィスと共有し、

オンラインで熟練者から

アドバイスや資料、データの提供が受けられます。

遠隔地にいる熟練者と画面内でリモート通話が行える

遠隔地にいる熟練者と画面内でリモート通話が行える

点検すべき部品や過去の履歴を、現場の映像に重ねて表示しながら遠隔支援を行うイメージ

点検すべき部品や過去の履歴を、現場の映像に重ねて表示しながら遠隔支援を行うイメージ

従来のARデバイスよりも、防水・防塵性がぐっとアップしたことで、現場でもより安心して使えるようになりました。建機のメンテナンス用に開発された製品ですが、アプリを変えると建設会社の進捗管理や出来形管理、構造物の維持管理などにも使えそうですね。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »