建設現場でAR(拡張現実)を使って施工管理を効率化を図ろうとしても、市販されているAR対応のヘッドマウントディスプレーやスマートグラスは屋内用のものが多く、雨や粉塵にさらされる建設現場ではなかなか気軽に使えませんでした。
そこで日立建機、HMS(本社:福岡市博多区)、ホロライト(Holo-Light GmbH。本社:オーストリア インスブルック)は、建設現場向けに耐久性を高めたAR対応のスマートグラス「ConSite」を開発しました。
その防水・防塵性能は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
「IP65」のレベル
で、粉塵の侵入がなく、あらゆる方向からの噴流水に影響を受けない仕様となっています。(日立建機のプレスリリースはこちら)
このスマートグラスは、建設機械の遠隔メンテナンスを行うサービス員のために開発されました。
サービス員はサービスマニュアルや部品カタログなど、複数のデータをスマートフォンやタブレットで閲覧しながら業務を行っています。
しかし経験の浅いサービス員にとっては、両手がふさがるのでモバイル端末の操作が難しい、複数データの同時閲覧ができない、オンライン通話だけでは遠隔地にいる熟練者と意思疎通が図りにくいといった課題がありました。
そこで日立建機は建設現場向けに必要な機能を検討し、HMSがスマートグラスを開発し、ホロライトはARに必要な大容量データをスムーズに送るストリーミング技術を提供することで、現場用のスマートグラスが完成したのです。
ARストリーミング技術によって周囲の実際の風景に複数の画面を重ねて表示し、スマートグラスのボタンと指の動きによって操作できます。
また、サービス員が装着しているスマートグラスのカメラ映像をオフィスと共有し、
オンラインで熟練者から
アドバイスや資料、データの提供が受けられます。
従来のARデバイスよりも、防水・防塵性がぐっとアップしたことで、現場でもより安心して使えるようになりました。建機のメンテナンス用に開発された製品ですが、アプリを変えると建設会社の進捗管理や出来形管理、構造物の維持管理などにも使えそうですね。