後方カメラやディスプレー、通信・空調も完備! 大成建設が山岳トンネル用に「スーパーSCヘルメット」を開発
2025年7月1日

管理人のイエイリです。

山岳トンネルの工事現場では、掘削作業や重機によって大きな騒音や大量の粉塵が発生するほか、落石などの危険もあります。

そのため作業員はヘルメットや背中を守る「バックプロテクター」のほか、電動ファン付きの呼吸用保護具や耳を覆う防音イヤーマフなども装着しています。

しかし、こうした重装備は、体への負担が大きいうえ、ヘルメット内の蒸れによって快適性も損なわれ、熱中症リスクや作業効率の低下、そして重機との接触などの課題もありました。

そこで大成建設は、山岳トンネル現場特有の粉塵、騒音、高湿度環境を克服するため「スーパーSCヘルメット」を開発しました。

※SCはSustainable Performance and Smart Communication Helmetの略

「スーパーSCヘルメット」の外観(以下の写真:大成建設)

「スーパーSCヘルメット」の外観(以下の写真:大成建設)

その特徴は、背中にフィルター付き電動ファンを備えており、ヘルメット内に

ナ、ナ、ナ、ナント、

新鮮な空気を送風

する個別空調機能が付いていることです。(大成建設のプレスリリースはこちら

スーパーSCヘルメットを装着したところ。背中にフィルター付きの電動ファンを備えており、ケーブルダクトから新鮮な空気が顔面に送り込まれる

スーパーSCヘルメットを装着したところ。背中にフィルター付きの電動ファンを備えており、ケーブルダクトから新鮮な空気が顔面に送り込まれる

そのため快適なのはもちろん、粉塵を防ぎつつ蒸れも軽減し、熱中症などの健康災害を防止します。

また無線通信機能もついています。外部の騒音レベルに応じて音の聞こえやすさをコントロールできるため、作業員間の会話や意思疎通がスムーズになり、危険防止や作業効率の向上につながります。

正面にはヘッドアップディスプレー、後方にはカメラも付いている

正面にはヘッドアップディスプレー、後方にはカメラも付いている

このほか、ヘルメットには小型演算処理装置(CPU)やヘッドアップディスプレー(HUD)が装備されています。

さらに、

ヘルメット後方にはカメラ

も搭載されているため、その映像をHUDで見ることで背後からの重機接近などに早く気づくことができます。

これらの機能を装備しながら、ヘルメットの重さは1.5kg以下と軽量化を実現しました。

大成建設は今後、作業員の体温や脈拍などの健康状態、トンネル坑内の温湿度やガス・粉塵濃度などの環境情報、作業の進捗状況などの表示機能の拡張を検討し、現場への適用を進めながら機能改善を図っていく方針です。

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