省エネ適判合格を図面作成前に“保証”! YKK APが非住宅向け省エネツール「Asutaina for Energy」を無料公開
2025年6月30日

管理人のイエイリです。

建築物省エネ法が改正され、2025年4月からすべての新築建物について省エネ基準への適合が義務化されました。

ただ、これまで省エネシミュレーションなどになじみのなかった設計者は、設計が固まってから省エネ計算にとりかかったり、専門会社に委託したりした結果、「NG」の判定が出て、設計の手戻りが発生しがちです。

省エネ計算を後回しにすると「NG」の際、設計の手戻りリスクがある(以下の資料:YKK AP)

省エネ計算を後回しにすると「NG」の際、設計の手戻りリスクがある(以下の資料:YKK AP)

YKK AP(本社:東京都千代田区)は、省エネ適判に関する手戻りのリスクをなくすため、すべての設計者が手軽に省エネ検討を行える非住宅向け簡易省エネ計算サービス「Asutaina for Energy」をこのほど無料公開しました。

建物が省エネ適判に合格できるかどうかを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

図面を描く前の企画段階

で判定してくれるのです。(YKK APのプレスリリースはこちら

「Asutaina for Energy」の計算結果。まだ図面も描いていない段階で建物の省エネ適判を達成できるかがわかる

「Asutaina for Energy」の計算結果。まだ図面も描いていない段階で建物の省エネ適判を達成できるかがわかる

使い方はまず、「Asutaina for Energy」のウェブサイトにアクセスし、メールアドレスによってユーザー登録を行います。

その後、開口部の向きや比率、外壁や非空調コア部の長さなどの外皮情報を入力するだけです。

開口部の向きや比率を入力する画面

開口部の向きや比率を入力する画面

外皮情報を入力する画面

外皮情報を入力する画面

省エネ検討と言えば、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などを使って、日照シミュレーションやエネルギー収支計算など、詳細に行うものだと思っていたのに、なぜ図面さえない段階で合否がわかるの? と疑問に感じる方も多いでしょう。

その理由は、窓の平均熱貫流率(U値)が外壁や屋根に比べて非常に大きいため、窓の大きさや数・配置と、窓の断熱性能や日射遮蔽性能で、

建物全体の熱負荷

がほとんど決まってしまうからです。

そこで断熱材や設備などを検討する前に、「Asutaina for Energy」によってどこにどんな性能の窓を配置するかを決めておけば、後で正式な省エネ計算をしたときに、その結果はほぼ見えているのです。

手戻りのない安心できる設計ワークフローが実現できる

手戻りのない安心できる設計ワークフローが実現できる

●Asutaina for Energyの活用メリット

ポイント 内容
ポイント1 操作は簡単で、計算はWebだけで完結
ポイント2 建物企画段階での省エネ性能の把握が可能(省エネ基準、ZEB Ready)
※2025年6月現在、「事務所用途」に対応
ポイント3 設備情報が無くても簡易計算が可能で、スピーディーに省エネ性能を把握できる

このツールはWeb省エネ設計支援サービスを展開するone-building(本社:東京都目黒区)の支援を受けて開発されました。

初めに省エネ適判の見通しを固めておくことで、手戻りのない安心した設計業務が行えそうですね。建築設計に携わる方にとって、「Asutaina for Energy」は登録しておいて損のないツールといえるでしょう。

(Visited 1 times, 2 visits today)

Translate »