ダムのAI制御で発電量が最大19%アップ?! 日立製作所と長野県がシミュレーションで明らかに
2025年9月24日

管理人のイエイリです。

地球温暖化対策として、水力発電はクリーンな電源として再評価されています。どんどん発電量を増やしたいところですが、新たなダム建設や発電施設の増強には、自然環境への影響や巨額のコストが伴うため、規模を拡張するのは容易ではありません。

そこで、日立製作所と長野県は、ダムや発電機などの発電施設はそのままで、年間の発電量を2割近くも増やせる方法をシミュレーションによって開発しました。

天気予報をもとに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIがダムへの流入量

を予測し、シミュレーションによって最適なダム操作を行う方法なのです。(日立製作所のプレスリリースはこちら

天気予報をAIでダムへの流入量を予測するシステムの概念図(以下の資料:日立パワーソリューションズ)

天気予報をAIでダムへの流入量を予測するシステムの概念図(以下の資料:日立パワーソリューションズ)

ダム運用支援ソリューション「DioVISTA/Dams」の画面。①降水量(流域平均、実績・予測)、②ダム流入量(実績・予測)、③降水量の分布、④ダムの諸量(滑水位、流入量、放流量、発電水)

ダム運用支援ソリューション「DioVISTA/Dams」の画面。①降水量(流域平均、実績・予測)、②ダム流入量(実績・予測)、③降水量の分布、④ダムの諸量(滑水位、流入量、放流量、発電水)

流入量の予測から放流計画を最適化するシミュレーションの流れ

流入量の予測から放流計画を最適化するシミュレーションの流れ

そのシステムは、日立パワーソリューションズ(本社:茨城県日立市)が開発したAI(人工知能)によるダム制御システム「DioVISTA/Dams」です。

AIによって今後の河川流入量を予測し、そのデータをもとに日立独自の「プログレッシブ動的計画法」に基づいて放流計画を最適化し、どのタイミングでどれだけの水を使えば効率的に発電できるかを自動的に提案するものです。

日立は長野県が管理する裾花ダム・裾花発電所(長野県長野市)に、このシステムを適用した場合、どれだけ発電量が増えるかを、2000年から2024年までの水文・気象データを活用してシミュレーションを行いました。

その結果、流入量が誤差なく予測できると仮定して、年間発電量は年間平均6万3450MWhと、過去25年の平均実績よりも19%多くなる可能性があることがわかったのです。

一方、実際には誤差なく流入量を予測するのは困難なので、流入量予測を用いずに目標水位を超えた際に放流・発電する「三水位モデル」も「DioVISTA/Dams」で検証しました。その場合でも年間平均で実績比14%増の発電が可能であることを確認しました。

さらに注目すべきは、このシステムを誰もが試せる

体験版アプリ

が用意されていることです。

日立パワーソリューションズのサイトから「DioVISTA/Dams」のデモ版をダウンロードすれば、ダム運用のシミュレーションを自分のパソコンで体験できます。

「DioVISTA/Dams」のデモ版による検証結果の画面例

「DioVISTA/Dams」のデモ版による検証結果の画面例

ダムや発電設備を増設することなく、AIの頭脳を加えるだけでエネルギー収量を高められるというのは、まさにデジタル時代ならではのブレークスルーといえるでしょう。

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