管理人のイエイリです。
山岳トンネル工事の中で、特に危険なのがトンネル掘削最前線の「切羽」と呼ばれる部分で、トンネル内面を支える鋼製支保工を設置する作業です。
発破直後でもろくなった地山が崩落しやすいため、厚生労働省の資料によると切羽での作業による労働災害のうち、支保工の建て込み作業は41%を占めています。
こうした危険作業をなくし、施工の自動化や省人化を図るため三井住友建設は、ニシオティーアンドエム(本社:大阪府高槻市)の協力のもと、「3次元点群データを用いた鋼製支保工建込システム」を開発し、このほど屋外での模擬施工に成功しました。
システムの愛称は「離れte支保工」というもので、その名の通り、エレクター付き吹き付け機を使って
ナ、ナ、ナ、ナント、
支保工を遠隔設置
できるのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら)
吹き付け機には、4台の3D LiDARが搭載されており、切羽周辺の3D点群データを計測します。
そのデータを活用して、吹き付け機のナビゲーションモニターに切羽掘削面、既設支保工とともにエレクターで設置中の鋼製支保工の位置を表示し、目標設置位置まで誘導します。
オペレーターはズーム機能を使って、左右の支保工を接続する継手板や底板部の詳細位置を確認しながら、支保工を高精度に目標位置に設置します。
吹き付け機の移動や誘導の際には、360度カメラによってオペレーターが周囲を見渡して安全確認が行えるため、誘導員を配置する必要はありません。
気になるのは、左右の支保工をつなぐためのボルト締め作業をどうするかですが、支保工の継ぎ手板には、
ワンタッチ式継ぎ手ボルト
が仕込まれており、左右の支保工の位置を合わせて押し付けるだけで連結できます。
支保工を連結した後は、吹き付けコンクリートで支保工の脚部を固定することで、従来必要だった継ぎ材の設置作業が不要になりました。また、金網はあらかじめ支保工に取り付けてあるので設置作業は不要です。
これまで鋼製支保工の設置作業には、複数のトンネル特殊工が切羽付近に立ち入り、作業する必要がありましたが、遠隔設置によってこうした危険な作業がなくなります。
三井住友建設は今後、切羽の掘削面の凹凸判定など、熟練工の暗黙知をAI(人工知能)に学習させることで、トンネル支保工作業の全自動化を目指す方針です。





















