数千枚の写真整理に朗報! 「Scanat」が3Dモデルから元写真を逆検索
2026年4月6日

管理人のイエイリです。

建設現場やインフラ点検の仕事では、最近、iPhoneやiPadで現場写真をどんどん撮って、そのまま3Dモデル化して記録する機会が増えてきました。

すると後で、「このひび割れが写っていた写真はどれだっけ」「この配管まわりの納まりを撮ったカットはどこだっけ」と、報告書向けや確認用に元写真が欲しくなることがあります。

3Dスキャンアプリ「Scanat」の機能。現場をiPhoneなどでスキャンし、3Dモデルを作る(以下の資料:nat)

3Dスキャンアプリ「Scanat」の機能。現場をiPhoneなどでスキャンし、3Dモデルを作る(以下の資料:nat)

ところが現実には、数百枚、いや数千枚もの写真が入ったフォルダーの中から、目視で“あの1枚”を探し出すことになりがちです。これはかなり地味ですが、なかなかの重労働です。

3Dモデルで場所は分かるのに、その場所を写した元写真がすぐ出てこない。建設DXが進んでも、こうした“最後のひと手間”はしぶとく残っていました。

そんな中、nat(本社:東京都渋谷区)の3Dスキャンアプリ「Scanat」に、このほど搭載された新機能は、実に気が利いています。 3Dモデル上で写真が欲しい場所をクリックするだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

元写真を逆検索

できるようになったのです。 (natのプレスリリースはこちら

3Dモデル上で冷蔵庫の前あたりをクリックする

3Dモデル上で冷蔵庫の前あたりをクリックする

するとAIが3Dモデル作成に使った元写真からベストショットを逆検索し表示する

するとAIが3Dモデル作成に使った元写真からベストショットを逆検索し表示する

これはちょっと面白いです。というのも、これまでの3Dスキャン活用は、基本的に「写真やスキャンデータから3Dモデルを作る」という一方向の流れでした。

ところが今回の新機能によって、「3Dモデルから元写真を探す」という逆方向の使い方が可能になったからです。同社によると、日本初の機能とのこと。いやはや、なかなかやってくれますね。

「Scanat」は、もともとiPhoneやiPadで現場を3Dスキャンし、点群や3Dモデル、図面化、計測などに活用できるアプリです。

今回追加されたのは「位置連動型写真検索機能」で、3Dモデル上の任意の点をクリックまたは長押しすると、その場所が写っている現場写真を自動で検索し、一覧表示してくれます。

使い方はとてもシンプルです。まず3Dモデルを開き、壁や床、天井、設備まわりなど、確認したい位置をクリックまたは長押しします。すると、その位置が写り込んでいる写真が一覧で表示されます。

しかも、ただ候補写真を並べるだけではありません。適合度、距離、角度などを複合的に評価する独自アルゴリズムによって、最も適した写真が上位に表示される仕組みです。数千枚の中から、「たぶんこれですね」とベストに近い1枚を先に持ってきてくれるわけで、これはかなりありがたいですね。

さらに、その写真にはメモや注記を追加し、共有することもできます。3Dモデルを関係者みんなで見ながら、見つけたひび割れや壁紙のはがれなどの写真にコメントを付けて整理していく。そんな“バーチャル点検”のようなワークフローまで見えてきます。

単なる検索機能にとどまらず、実務の流れまできちんと考えられているのがいいですね。

写真整理地獄から解放

という効果も、これは見逃せません。

「Scanat」は、作業員2~3名で1~3時間かかっていた現地調査を、作業員1名で20分前後に短縮できるとのことです。そこに今回の「位置連動型写真検索機能」が加わることで、現場での調査後、事務所で写真フォルダーを開いて延々と探す作業も大幅に短縮されそうです。

施工管理や調査業務では、現場だけでなく帰社後の整理時間もばかになりません。むしろ、そういう積み重ねが1日を削っていくわけです。そこをサクッと減らせるなら、この機能の価値はかなり大きいと言えそうです。派手ではなくても、こういう改善は現場にじわじわ効きそうですね。

建設DXというと、つい自動施工やロボットのような大きな話題に目が行きがちです。しかし、本当に働き方を変えるのは、こうした日常のお困りごとを着実に減らしてくれる技術かもしれません。

「Scanat」は、現場を3Dで記録するだけのアプリから、必要な情報をその場で引き出せる実務ツールへ、また一歩進んだ印象です。こうした“実務者に寄り添った進化”を積み重ねていけば、建設業の仕事はもっとスマートに、もっと楽しくなっていくのではないでしょうか。

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