管理人のイエイリです。
東日本大震災で被災した地域の復旧作業や救難捜索活動、孤立した地域への支援物資輸送などで在日米軍が大規模な「トモダチ作戦」を展開しました。
米国カリフォルニア州在住の建築家、キモン・オーヌマ(Kimon Onuma)氏も復興支援活動ができないかと考えました。オーヌマ氏は、48時間などの短い時間でBIMを使って建物を設計する仮想国際コンペ「BIMStorm」の創始者です。
そして作成したのは、昨日、当ブログで紹介したドーム型仮設建物を使った仮設村のプランです。設計にはBIMの手法を使いました。
いわば、
“BIM版トモダチ作戦”
といったところでしょうか。
キモン・オーヌマ氏(左)とBIMによる東日本大震災復興プロジェクトのために作った「BIMStrom Japan」のロゴ(Photo and image: Courtesy of Kimon Onuma) |
BIMを使って仮設村を宮城県多賀城市内の4カ所に配置した例(image: Courtesy of Kimon Onuma) |
仮設村の例(image: Courtesy of Kimon Onuma) |
ドーム型仮設建物(上段左)をベースに建物の用途に合わせた間取りプランも設計している。上段右:6つのベッドを備えた寝室、中段左:ダイニングルーム、中段右:キッチン、下段左:トイレ、下段右:洗濯室(Photo: Courtesy of Intershelter, Inc., Plans: Kimon Onuma) |
「もちろん、このプランは土地の特徴を知っている地域住民に相談することもなく、短時間で作ったものです。仮設村の位置は、グーグルアースなどを使って学校のグラウンドやゴルフ場などの広い場所を選びました」とオーヌマ氏は説明します。
「このモデルを使って被災地の復興をする典型的なワークフローとしては、まずプロトタイプとして仮設村のBIMモデルをどこかに作っておきます。そのモデルを別の場所にコピーして土地に適した位置や配置に編集するのです。こうすることで計画が素早く作成でき、仮設建物の搬入もスピーディーに行えるでしょう」(オーヌマ氏)
「また、BIMモデルにネットでアクセスできるようにすれば、遠くの場所にいる専門家が復興計画作りに参加でき、専門的な助言を行ったり、新しいレイアウトを作ったりすることも可能です」(オーヌマ氏)
オーヌマ氏は、この仮設村のプランを
グーグルアース
でも見られるように、KMZファイルも送ってくれました。ご興味のある方は、ここからアクセスしてくださいね。