管理人のイエイリです。
インカ帝国の遺産であるマチュピチュ遺跡は、ペルーの標高2400メートルの断崖に広がり、「空中都市」、「インカの失われた都市」などと呼ばれる世界遺産です。
険しい山々に囲まれる石造建物や道の写真を見ると、誰しもが一度は現地を訪れてみたいと思うのではないでしょうか。
実際に旅行するのは大変ですが、日本にいながら現地を歩いたり、空中から眺めたり、断崖絶壁を駆け上がったりという、自由自在のウオークスルーが楽しめる作品がこのほど完成しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、マチュピチュ遺跡を丸ごと
バーチャルリアリティー
にしてしまったのです。
マチュピチュ遺跡のバーチャルリアリティー作品(資料:凸版印刷) |
凸版印刷とTBSテレビが共同で制作したVR作品で、約13平方キロメートルにも及ぶ遺跡の段々畑や階段が連なる複雑な地形を忠実に再現しました。「太陽の神殿」や「インティワタナ」など遺跡の見どころも、詳細で高品質にバーチャルリアリティー(VR)化されています。
また、インカ帝国が繁栄していた500年前のマチュピチュも再現し、当時の姿を見ることができます。この作品は、2012年3月10日から6月24日まで東京・上野の国立科学博物館で開催される『インカ帝国展 マチュピチュ「発見」100年』(主催:国立科学博物館、TBS、朝日新聞社)で公開されます。
遺跡の立体形状の計測には3Dレーザースキャナーを使い、
ナ、ナ、ナ、ナント、
約90地点で計測
を行ったそうです。遺跡の見どころのところでは、より詳細な計測データを取得しました。
3次元計測は凸版印刷とTBSが大手前大学史学研究所の協力を得て行いました。マチュピチュ遺跡でこれだけ広範囲の3D計測を行ったのは、世界初とのことです。
そして、VRの質感には約2万枚の写真を使い、リアルな演出を施しました。かなり、手間ひまをかけた作品ですね。
|
3Dレーザースキャナーによる計測作業(上)と取得した点群データ(下)(資料:凸版印刷) |
『インカ帝国展 マチュピチュ「発見」100年』展では、約160展のインカの考古遺物とともに、シアターでは3D撮影した実写映像とVRを組み合わせた日本初の立体視映像が公開される予定です。
3Dレーザースキャナーをお持ちの測量会社の皆さん、こんな作品は作れませんか。遺跡や観光地などのVR作品制作という新ビジネスを検討してみる価値はありそうですね。