管理人のイエイリです。
電気自動車(EV)の普及に伴い、戸建て住宅用の充電装置が各社から発売されています。ただ、充電するにはガソリンスタンドの給油装置のようなゴツいプラグをクルマに差し込む必要があるので、ついつい、充電を忘れてしまうこともありそうですね。
そこで、IHIと三井ホームは画期的な充電装置の共同開発に着手しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
駐車場から“電気を飛ばす”
ことによって、EVを充電してしまおうというものなのです。
この装置は「非接触給電型」のもので、地上側には送電装置、車載側には受電装置を設けます。両方の装置の共振周波数を同じにしておくと磁界共鳴を起こし、電気が空中を飛んでEV側に伝わるという仕組みです。
そのため、充電時にケーブルをつなぐ手間がなくなり、駐車場にちょっとEVをとめておく間にも、こまめに充電することができます。センサーで自動的に充電してくれると、夜に充電を忘れてあわてることもなくなりそうですね。
出力3.3kWの非接触給電評価機(写真:三井ホーム。以下、同じ) |
試験用電気自動車 |
IHIでは2011年度、EV向けの非接触給電技術の開発に着手し、様々な車種や蓄電池に適合可能な送電・受電装置の開発を進め、試験用の電気自動車を製作してテストを行っています。
一方、三井ホームはこの装置を実用化するための「実証試験」として、太陽光発電システムや家庭用蓄電池と連携したHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)により、EV側と双方向で電力をやりとりする電力供給システムの開発を計画しています。
ケーブルなしで電力を送るというと、途中でかなりの電力ロスがあるのでは、と気になる人もいるでしょう。三井ホームのニュースリリースによると、3kWを超える電力を
20cm離れて90%以上の効率
で送電可能なことが実証されているそうです。磁界共鳴方式は、結構、スムーズに電力が送れるものですね。
ケーブルなしでいろいろなところでEVに充電できるようになり、電気代の課金も自動化されると、ガソリン車以上に手間なくクルマが使えそうです。