管理人のイエイリです。
米国ワシントン州のシアトルで、老朽化したインターステート99号線の「アラスカン・ウェー高架橋(Alaskan Way Viaduct)」を、耐震性向上のため、トンネルに造り替える工事が昨年の秋から行われています。
シールドトンネルや開削トンネル、2つの建築物からなるこのプロジェクトの設計で大活躍しているのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Tekla BIMsight
という、無料のBIMモデルビューワーなのです。
Tekla BIMsightは、様々なBIMソフトによって作られた建物の意匠、構造、設備などのBIMモデルを1つにまとめて干渉チェックなどを行うのに使われているソフトで、テクラのウェブサイトから無料でダウンロードできます。
Tekla BIMsightで建物の意匠、構造、設備の干渉チェックを行った例(資料:テクラ) |
インターステート99号線の工事は、内径16mのシールドトンネルや開削トンネル、2つのビルを含み、土木や様々な構造物、建築部材、電気設備、そして交通管理施設などからなる複雑なものです。
設計者のHNTB社は、Tekla BIMsightが多数の3Dモデルを統合し、いろいろな断面や視点での表示や、各モデルの表示/非表示の切り替え、干渉チェックなどの機能に着目。サブのコンサルタントや建築設計者、技術者を交えて毎週開催する設計の調整会議で3Dモデルベースの検討を行っています。
インターステート99号線のトンネルプロジェクトを構成する多数の3Dモデルを統合して干渉チェックなどを行った例(2点の資料:テクラ) |
シアトルの市街地を貫くトンネル(資料:Washington State Department of Transportation) |
プロジェクト関係者は、プロジェクトの3DモデルをTekla BIMsightに読み込むことで、プロジェクトの全体像を理解でき、
干渉部分などを素早く発見
し、関係者全員で設計の問題点について情報共有ができているそうです。
従来の図面ベースの設計検討では、このような複雑な関係を調整し、コラボレーションすることはとてもできません。
建築のBIMに負けず、海外では土木でも3Dモデルベースの設計が導入され、生産性を上げていることを知って驚きました。