動物や水中地形も点群に!3Dスキャナーの祭典で発見した新兵器
2012年6月6日

管理人のイエイリです。

3Dレーザースキャナーなど3次元計測技術をテーマにしたイベント「SPARJ 2012(第8回3次元計測フォーラム)」が、6月5日と6日の両日、川崎産業振興会館で開催されています。

初回の2005年は100人に満たなかった参加者は増え続け、昨年は600人を突破するほどの人気です。まさに“3Dスキャナーの祭典”としての地位を不動のものにしつつあるイベントです。

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3Dレーザースキャナーなどの3次元計測システムで埋まったSPARJ2012の展示会場。写真はリーグル社の地上型3Dレーザースキャナー(写真:家入龍太)

昨日、駆け足で展示会場を見てきました。今年も面白そうな3D計測システムがあふれていました。まず、目に留まったのはオーピーティーのブースに展示してあった米国ブルービュー社の水中3Dスキャナーです。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

視界ゼロでも水中を計測

 

できるというスグレモノなのです。

水中に三脚ごと沈めてセットします。遠隔操作で計測をスタートさせると、超音波を発受信するソナーが360°回転し周囲の地形や構造物の形状を縦45°の範囲で計測し、点群データとして記録します。陸上用の3Dレーザースキャナーで測った点群データとも合体できます。

測定できる距離は「BV5000-1350」型の場合、最大30mとのこと。橋梁の橋脚周辺の洗くつなどを高精度に計測する業務で使われているそうです。

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オーピーティーのブースにあったブルービュー社の水中3Dスキャナー(左)とソナー部分(右)(写真:家入龍太。以下同じ)

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水中3Dスキャナーで計測した橋脚周辺の洗くつ状況。地上部の橋梁は地上用の3Dレーザースキャナーで計測したそうです

次に目に留まったのは、みるくるのブースに展示してあった手押し式のモバイルマッピングシステムです。3台のレーザースキャナー積んだ手押し車を押して、建物の内部を歩き回るだけで、各部屋や廊下など、建物内部の3D形状を自動的に計測し、点群データを作成してくれます。

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みるくるの室内計測用の手押し式モバイルマッピングシステム(左)と細長い展示会場内を移動して計測した点群データ(右)

大手メーカーでは、富士フイルムのブースにあった3Dデジタルカメラによる点群計測システムが注目を集めていました。同社の3Dデジタルカメラ「FinePix REAL3D W3M」で撮影したデジタル写真を、パソコンで画像処理することにより、カラーテクスチャー付きの点群データを作成できます。

その強みは、

 

動く物体を3D計測

 

できることです。

例えば、動き回る動物を3Dモデルにするのはなかなか難しいですが、このシステムは普通の写真と同じように、シャッターを1回切るだけでいいのです。

30cm~10m程度の距離での計測に適しているそうです。凹凸のあるファサードをもった建物の3Dモデルを作るときなどにいろいろと使えそうですね。

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富士フイルムの3Dデジカメ(左)を使って作成した犬のテクスチャー付き点群データ(右)

展示ブースは19もあり、計測システムや点群データの処理ソフトなど、まだまだ面白いものがたくさんあります。今日(6/6)は最終日なので、ご興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

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BIMモデルとレーザー計測機で墨出しを効率的に行うシスプロの「レーザー墨計」(左)。狭い場所や溝の中でも点群がとれるモバイル3Dスキャナー「The F5 Mantis Vision Camera」。ラピッドフォーム・ジャパンのブースで(右)
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