管理人のイエイリです。
豊橋技術大学の建設工学系教室には、2008年に解説された「Data2Form」という建築ものづくり工房があります。
レーザーカッターや3Dプリンターといったデジタル工作機械や、フリーフォームなどの曲面をデザインする機器やワークステーションがずらりと並んでいます。
昨日、この工房を数年ぶりに訪問したところ、レーザーカッターや新しい3Dプリンターが増設されていました。
中央の展示台には、建物のファサードデザインを検討する“着せ替え式模型”や、サーボモーターやボールねじを組み合わせて作った建物用ロボティクスパーツなど、ロボコン大国である豊橋技科大生らしいアイデアあふれた作品が並んでいました。
拡張されたデジタル工房「Data2Form」と松島史朗教授(左)。増設された3Dプリンター(右)(写真:家入龍太。以下同じ) |
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建物のファサードを検討する模型(左)と、BIMソフトのライブラリ集のように並んだ“着せ替え”用ファサード群(右) | |
ロボティクス技術を利用した建物用部材。これでカーテンやスクリーンなどの形や大きさなどを変える装置ができるそうです |
そして、豊橋技科大の「先進建築学」をさらに進化するマシンとして、
ナ、ナ、ナ、ナント、
本格的CNCルーター
が導入されていたのです。
豊橋技科大に導入されていた本格的CNCルーター |
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CNCルーターで作成した壁の彫刻(左、制作:竹中司氏)と特注の刃物(右) |
このCNCルーターを使うと、アルゴリズミックデザインなどの手法でデザインした3Dモデルデータ通りに木材などを切削し、実物大の家具や彫刻などを作ることができます。
また、校舎の中にも通信機器や映像機器、センサーなどを装備した実験室が作られていました。他の大学や工専などとネットワークでつなぎ、相手の映像を実物大で壁面に映写しながら、遠く離れた相手でもすぐ隣に座っているような感覚でコラボレーションを行うことができます。
博士課程の大学院生の皆さんも、われわれ取材班のために、遠距離コラボレーションやロボティクスなどを駆使した研究成果をプレゼンしてくれました。
この部屋にはセンサーなどを自由に取り付けられるような工夫がなされています。
その一つに、
ナ、ナ、ナ、ナント、
フリーアクセスウオール
というものがありました。
一見、四角い壁材を張り付けてあるようですが、ちょうつがいで開くようになっており、中に配線やセンサーなどを自由に取り付けられるようになっています。
フリーアクセスフロアはおなじみですが、壁までフリーアクセスにするとは、さすが豊橋技科大ですね。配線で見苦しくなりがちなオフィスや自宅でもこんな壁があったら便利に使えそうですね。
自由に配線できる壁、フリーアクセスウオール