管理人のイエイリです。
意匠設計用BIMソフトは、外国製のものがほとんどですが、国産ソフトとして気を吐いているのが福井コンピュータのBIM建築設計システム「GLOOBE」です。
その最新版である「GLOOBE 2013」(PDF)が明日(7/24)、いよいよ発売されることになりました。今回のバージョンアップの目玉は「2D BIM化アシスト」機能というもので、
ナ、ナ、ナ、ナント、
2次元CAD図面をBIM化
してくれるものなのです。
BIMモデルは、部材の形状だけでなく柱や壁といった「属性情報」を持っているのが特徴です。「2D BIM化アシスト」機能は、2次元CAD図面データのレイヤ情報から、敷地やスペース、柱、壁、建具などの部材を認識し、属性情報を与えて自動配置し、立体化します。
その後はGLOOBEの専用データとしてプレゼン用パースや各種図面を作ったり、法規チェックを行ったりできるので業務効率を大幅にアップすることができます。
2次元CADデータを瞬時にBIMモデル化する「2D BIM化アシスト」機能(資料:福井コンピュータ。以下同じ) |
このほかの新機能としては、「法規チェック」オプションの新機能があります。建築基準法の規定に基づき、有効採光計算や換気計算、排煙計算の有効開口面積の算出や判定を自動処理します。判定結果や計算根拠をその場で確認できるので、設計を修正しては再チェックするという作業も可能です。
また、設計変更に対しては、隣接するスペースや壁、天井、建具などを一括して追従させるプラン変更や、BIMモデルを変更したときに更新が必要な図面を一覧表示させて一気に図面修正を行える「図面整合チェック」など、繰り返し作業を効率化できる機能を多数搭載しました。
採光、換気、排煙の法規チェック機能(左)と図面整合チェック機能(右) |
ユニークな機能としては、RCやSRCの柱や梁などのフカシや増し打ちに対応したことです。このフカシ機能は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
意匠用BIMソフトでは世界初
とのことです。構造を意識した意匠設計が可能になりますね。
さらに、IAI日本の構造分科会が策定した構造データ形式「ST-Bridge」の読み込みにも対応しました。ST-Bridge対応の構造計算ソフトから躯体形状や記号などを構造モデルとして読み込み、意匠モデルと統合することができます。
ST-Bridgeによる構造モデルの読み込み機能 |
このほか、無料の3Dデザインソフト「Google SketchUp」で作成したモデルを読み込む機能も搭載され、日影や斜線などの集団規定チェックを行えるようになりました。
「GLOOBE 2013」は日本の建築設計者のニーズにきめ細かくこたえ、さらに完成度の高いBIM建築設計システムに進化しましたね。税込み価格は「GLOOBE 2013 基本」が52万5000円、オプションプログラムとして「法規チェック」が31万5000円、「実施設計」が21万円などとなっています。