ナント、3000台も!大林組が全現場でタブレット端末を導入
2012年7月20日

管理人のイエイリです。

工事現場での施工管理では、確認用の図面や資料など多くの書類を持ち歩いたり、必要な情報を得るために現場事務所に戻ったりと、なにかと手間がかかります。また、現場の作業が終わった後も、施工管理者は事務所で図面の修正や書類の作成などの仕事に追われています。

こんな不便を解消し、業務の効率化を図ろうと、大林組ではICT(情報通信技術)を使って施工管理者のワークスタイル変革に乗り出しました。

2012年8月から、現場で施工管理を行う技術職全員に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

約3000台のタブレット端末

 

を配布することになったのです。

タブレット端末には施工管理に必要な技術標準や施工標準図などの技術資料や安全資料を搭載し、クラウドコンピューティングによって必要な図面を端末に取り込んで必要なときに必要な図面を確認・参照できるようにします。

配筋検査システムや設備検査システム、仕上げ検査システムからなる現場検査支援システムも利用できるようにし、現場で図面に書き込んだ記録も、その場で電子データとして保存します。

また、作業指示などを「見える化」し、写真や図面、施工計画書、打ち合わせ記録などを視覚的に表示ながら作業員に分かりやすく指示できるようにします。こうした指示や是正確認の記録も電子データとして保存し、パソコンへの二重入力を防ぎ報告書作成の作業を大幅に軽減します。

施工管理を担当する技術者はこれまで図面集など分厚い書類などを持ち歩いて大変そうでしたが、1台のタブレット端末で現場にいたまま情報の確認や業務処理ができるようになると、仕事もぐっとスマートになり、現場で発生していることにもリアルタイムに対応できそうですね。

20120720-image2.jpg

タブレット端末には施工管理に必要な情報やシステムが豊富に搭載される(資料・写真:大林組。以下同じ)

20120720-image1.jpg
タブレット端末を使って施工管理を行う技術者のイメージ

通信には無線LAN(Wi-Fi)を用い、工事事務所のアクセスポイント経由でネットワークに接続します。端末には電子証明書とMDM(モバイル・デバイス・マネジメント)を導入し、ネットワークへの接続を登録端末だけに限定することでセキュリティーを高めています。

手軽に持ち運べる端末だけに、盗難や紛失が心配ですが、パスワードによるロックと自動フォーマット、遠隔操作で端末内のデータを消去できる「リモートワイプ」といった対策によりデータを保護できるので、データ流出も最小限に抑えられます。

このタブレット端末の用途として注目されるのは、

 

BIMとの連携

 

も予定されていることです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による設計のCGと現場の写真を比較すると、施主や設計者との合意形成をスピーディーに行えそうですね。また、BIMで作成したグラフィカルな施工シミュレーションと工程表を現場で見ることができれば、工程に配慮しつつ、安全な施工方法を現場で検討することもやりやすくなりそうです。

いったい、どんな機種のタブレット端末が使われるのかが楽しみです。現場最前線のIT化は、タブレット端末の大量導入により大きく前進しそうですね。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »