管理人のイエイリです。
建物や街並みなどの形状を高精度に計測する場合3Dレーザースキャナーが便利です。建物などの表面に数cmピッチでレーザー光を当て、その点の3次元座標を「点群データ」として記録するものです。
この点群を閲覧する場合、点群用のビューワーソフトやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、3時CADなど高価なソフトが必要だったため、これまでは縁遠く感じていた人も多いのではないでしょうか。
3Dシステムズ社(3D Systems)は、こうした点群に対する高価なイメージを取り払う画期的な3Dデータ処理ソフト「Rapidform XOM」をこのほどリリースしました。
大容量の点群を読み込み、高品質なメッシュデータを作成できるなどの機能がありながら、
ナ、ナ、ナ、ナント、
フリーソフト
なのです。
点群用フリーソフト「Rapidform XOM」のダウンロードページ(資料:3D Systems。以下同じ) |
各種の3Dレーザースキャナーで計測した点群データをオリジナルファイルのまま読み込めるほか、STLやIGES、STEP、Parasolidなどの3次元CADデータも読み込んで閲覧できます。
3Dスキャンデータに含まれるノイズの削除やメッシュ化のほか、位置合わせや合成、穴埋め、間引き機能などの機能を搭載されています。
私も試しにダウンロードしてインストールしてみましたが、ファイル容量は450MBほどもありました。起動させてみると、次のような画面が現れました。
そして「ファイル」メニューの「開く」を選び、「ファイルの種類」のボタンをクリックしてみると、ライカやFAROなどの3Dレーザースキャナーのデータや、DXFや3D Studioのデータなど、多数のデータ形式に対応していることが分かります。
「Rapidform XOM」を起動させたところ |
読み込みに対応しているデータ形式の例 |
ソフトに搭載されている測定ツールを使えば、点群やメッシュデータから距離測定を行うことも可能です。また、CADデータと3Dスキャンデータ、3Dスキャンデータ同士の形状の違いをカラーマップで表示することもできます。
設計データと施工後のデータを比較して、施工精度をチェックするなどの目的にも使えそうですね。
点群と3DCADデータの形状の違いをカラーマップで表示することもできる |
さらに面白いのは、点群データから
3Dプリンター用のデータ
も作成できることです。
点群データを使って、設計や施工に生かせないかと検討中の皆さんは、取りあえず「Rapidform XOM」をダウンロードして、点群の扱い方に慣れてみるというのもいいのではないでしょうか。