管理人のイエイリです。
3Dモデリングソフト「Trimble SketchUp(以前のGoogle SketchUp)」は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ユーザーにもおなじみのソフトです。
フリーソフト版でもかなりの機能を持っていますが、昨日(1/17)、有償版の「SketchUp Pro」日本代理店であるアルファコックスさんのオフィスを突撃取材しました。
SketchUpは、安い、軽い、簡単というイメージがありますが、実はとてもパワフルなソフトであることが分かりました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
ベニスを丸ごと3Dモデル
できるほどのパワーを持っているのです。
ベニスの町をSketchUpで丸ごと3Dモデル化したもの(資料:アルファコックス) |
特にサンマルコ広場に面する建物などは、非常に精密に作られています。このモデルは、公開中の3D映画「サイボーグ009」の制作のために作られたそうです。
この映画のために、数枚の絵コンテから迷宮の3Dモデルを「リバースエンジニアリング」によって作る作業も行ったそうです。
このほか、日本のある自治体向けに駅前広場周辺の街並みを精密にモデリングする業務も行いました。地盤の高低差も表現してあります。
この自治体に対しては、土木部門の職員向けにSketchUpのトレーニングも行い、職員自らが建物モデルの入れ替えなどの作業ができるとのこと。国土交通省のCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)も負けていらせませんね。
ある街の駅前広場周辺の精密な3Dモデル(資料:アルファコックス) |
有償版のSketchUp Proは無償版に比べて、いろいろな機能が追加されています。例えば様々なCADデータの読み込み機能やブーリアン演算機能、手描き風のエッジを作成する機能、モデルに属性情報を自由につけて数量集計を行える機能などです。
面白いのは、最近のBIMソフトのように、
iPadでウオークスルー
できる機能です。
SketchUp Proで作った3DモデルをiPadでウオークスルー(写真:家入龍太。以下同じ) |
SketchUp Proに「3D-Vega exporter」(税込み1万290円)というプラグインソフトをインストールし、3DモデルをiPad用に書き出します。
その3DモデルをiPad用の「3D-Vega」というフリーソフトに読み込んで、ウオークスルーするというわけです。
SketchUpのユーザーは工務店関係者などが主流で、逆にBIMのことを知らない人も多いとのこと。それだけ多くのユーザーがいるわけですね。
最近、BIMソフトベンダーを続々と買収しているトリンブルが昨年、SketchUpを買収したことで、今後、BIMとの連携がますますよくなることも期待できそうですよ。
アルファコックスのオフィス。和気あいあいとした楽しそうな雰囲気でした |