管理人のイエイリです。
フォーラムエイトと言えば、ウィンドウズが発売される前のDOS時代から「橋台の設計」、「擁壁の設計」、「BOXカルバートの設計」といった設計者の実務に密着した様々な設計ソフトを発売し、これらのソフトは現在バージョン12、13とバージョンアップを続けています。
フォーラムエイトの様々な設計ソフト。擁壁の設計(左上)、クライミングクレーンの設計計算(右上)、プラント基礎の設計(左下)、3D配筋機能(右下)(資料:フォーラムエイト) |
伝統を誇るフォーラムエイトも、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などの分野で展開する外資系ソフト会社に負けじと、新しい製品戦略を導入し始めました。
今年7月初旬までに、
ナ、ナ、ナ、ナント、
8つのスイート製品を発売
することになったのです。昨日(4/10)、その第一弾として「UC-1エンジニア・スイート発表セミナー」が同社で行われました。
「UC-1エンジニア・スイート発表セミナー」。フォーラムエイト東京本社にて(写真:家入龍太) |
「スイート」とは甘い(Sweet)という意味ではなく、ホテルのスイート(Suite)ルームのように、「ひとまとまりになっている」という意味です。つまり、1つの分野に関する複数のソフトやサービスをパッケージにまとめた製品を表します。
例えば、「下部工基礎スイート(Advanced Suite)」は、橋脚や橋台、支承、フーチング、杭基礎、置換基礎などの設計を行う10本のソフトで構成されており、合計139万円(税別)となっています。
また、含まれるソフトの種類や本数によって「Advanced」、「Senior」、「Ultimate」といった種類に分かれています。
下部工基礎スイート(Advanced Suite版)の内容(資料:フォーラムエイト。以下同じ) |
4月にまず、「仮設・土工スイート」と「建築プラントスイート」が発売された後、「構造解析上部スイート」、「下部工基礎スイート」などが7月初旬まで、順次発売される予定です。
スイート製品の発売スケジュール |
これまで単体だったソフトが、「スイート」になることで、ソフト同士が連携しやすくなるといったメリットがあります。例えば、複数の橋脚と橋台からなる橋の応力照査結果をまとめる時、これまでは各ソフトで計算した結果を切り張りする必要がありました。それがソフト上で複数の計算結果を選択するだけでひとまとまりになった表を作ることができます。
橋台や橋脚の複数の計算結果を選択する |
橋全体の橋台、橋脚をまとめた計算結果一覧表が完成! |
また、橋などの全体モデルで耐震計算などを行った後、支承の反力などを橋脚の設計ソフトに渡して計算し、橋脚耐力の計算結果をバックするなどのソフト間のデータ連携もしやすくなります。
また、BIMやCIMのような発想であるソフトで作成した3Dモデルを使って3Dの配筋設計を行ったり、設計データを
クラウドにバックアップ
したりという機能も利用できます
震度-橋脚-落橋防止の連携イメージ |
フォーラムエイトではBIMソフト「Allplan」やバーチャルリアリティーソフト「UC-win/Road」などを中核として自社製品を連携・統合できるように製品開発を進めています。これだけの数の異なるソフト間でシームレスにデータを活用できるようにする構想はすごいですね。
BIM、CIMによるソリューションの統合イメージ |