管理人のイエイリです。
6月20日~22日まで米国コロラド州デンバーで開催されたAIA(アメリカ建築家協会)全米大会の会場は、コロラドコンベンションセンターというガラス張りの広大な施設です。
会場にやってきた誰もがまず、驚くのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
巨大クマがのぞき込む
現場に遭遇することです。
コロラドコンベンションセンターの名物、「ブルーベア」(写真:家入龍太。以下同じ) |
「なにか面白い展示物でもあるのかな」と興味津々にのぞき込んでいる様子は、ユーモアたっぷりで、いつも誰かがカメラを向けています。
では、AIAの展示会場にどんな面白い展示物があったのか、クマに代わってレポートしましょう。
BIMソフトの有力ベンダーである、オートデスクやグラフィソフト、ベントレー・システムズ、ベクターワークスなどはそれぞれBIMソリューションの新製品展示やセミナーを開いていました。
オートデスクとグラフィソフトのブース(左)。ベントレー・システムズのブースに立つヒュー・ロバーツ副社長(右) |
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ベクターワークスのブース(左)。SketchUp Proのブースにはしっかりと「Trimble」のロゴが(右) |
その中で面白かったのは、老舗3Dデザインソフトの「formZ」です。ライノセラスを思わせる自由曲面を作った後、そのデータをCNCルーターにかけて部材を切断し、接着剤不要で組み立てた家具を展示していたのです。
また、TurboSiteのブースの前では声をかけられました。iPad上に図面を読み込み、その上に写真や動画、メモなどを登録できるものです。施工管理に使うカメラや図面などかさばるものはすべてiPad1台に納まるというイメージの展示が印象的でした。
事務所に帰ると、表紙や目次、リンクまでついたPDF形式の報告書が自動的にできあがるというお手軽さもなかなかすばらしかったです。
formZの自由曲面データをデジタルファブリーション用に加工(左)。そのデータをCNCルーターにインプットし、切断した部材を組み立てた机(右) |
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iPad上に図面を表示し、その上に写真や動画、メモなどを登録できる「TurboSite」(左)。重い図面やカメラなどもiPad1台でOKというイメージの看板(右) |
ヒューレット・パッカードはロール2本を手前の低い位置に収納し、印刷した図面は丸まらないように背後の平らなスタックに排出する新型の大判インクジェットプリンターを展示していました。
また、CATIAベースのBIMソフト「DigitalProject」の開発元であるゲーリー・テクノロジーは、iPad上でBIMモデルを統合し、表示できるクラウドシステムを展示していました。「オープンなのが特徴」とのことです。
ヒューレット・パッカードの新型大判プリンター。背後の平らなスタックに図面などを排出するので丸まらない(左)。様々なBIMモデルを統合し、表示できるゲーリー・テクノロジーのクラウドシステム(右) |
その中で、日本語で話しているブースがありました。どこの会社かなと思っていたら、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ソフトウェアクレイドル
のブースだったのです。
ソフトウェアクレイドルのブース(左)。展示しているのはもちろん、流体解析ソフトの「STREAM」(右) |
展示しているのはもちん、同社の主力製品である流体解析(CFD)ソフト「STREAM」でした。数年前から米国にも事務所を開き、営業活動を展開しますが、まだ米国の建築設計者にとってCFDは縁遠く感じられているようです。
しかし、米国でも環境に配慮したサステナブルな建物への関心は高いので、BIMを切り口にして、ぜひ日本のソフトを輸出してほしいですね。
(訂正)初出時にTurboSiteについて、日本の大手住宅メーカーが使っているという表現をしておりましたが、未確認情報のため削除しました。(6/24/2013、12:54)