エアフローウインドーも考慮!Vectorworks用「PALツール」が登場
2013年7月8日

管理人のイエイリです。

建物の省エネルギー性能は、建物の配置や平面計画、外壁や屋根、窓の断熱性、そして窓の日射遮へい性能に大きく左右されます。これらを総合的に考慮し、建物に発生する冷暖房の熱負荷を評価する指標として「PAL値」というものがあります。

建物が外気や太陽光と接する最上階や外壁から5mまでの範囲など「ペリメーターゾーン」からの熱損失を単位面積で表した値です。この数値が小さいほど建物の省エネ性能が高くなり、省エネルギー法では、建物用途別に基準値が示されています。

このように、PAL値は建物の省エネ性能を分かりやすく表すものですが、問題は計算するのに大変な手間がかかることです。

そこでエーアンドエーは、この計算を

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMソフト「Vectorworks」

 

上で簡単に行えるようにしたプラグインソフト「PALツール」を7月1日に発売したのです。

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Vectorworks上で動く「PALツール」の画面(資料:エーアンドエー。以下同じ)

Vectorworksで作図した図面を元に、部屋の空調設定や屋根・壁の素材、窓・ひさしの性能を指定し、PAL値を計算するものです。

計算に必要な建物の立地場所や方角、階高など諸条件は、専用ダイアログにて簡単に設定できます。窓からの太陽光による熱負荷の計算では、ひさしのタイプやガラス素材の種類・厚さ、ブラインドなどを設定でき、二重ガラス内に通風するエアフローウインドー(AFW)やガラスとブラインドの間に通風するプッシュプルウインドー(PPW)などの細かい補正も行えます。

入力をスピーディーに行えるように一般的な材料と熱伝導率を設定したデータベースを内蔵しています。複数の材料からなる外壁や天井、床などの熱通過率の計算も手計算だと面倒ですが、Vectorworksの壁構成ダイヤログに似た画面で各材利用の厚さや熱伝導率を設定すると自動的に計算してくれます。

計算結果は、Vectorworksデータのワークシートとして保管され、申請機関への提出に必要な集計表として使えます。計算に使用した各部位の面積表や熱貫流率、吸収率、日射侵入をまとめた表や、ひさしの形式(オーバーハング、サイドフィン、ボックス、手入力)別に、日射侵入率の補正値をまとめた表などが含まれます。

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壁や床、屋根は構成材料の厚みや熱伝導率を設定すると熱通過率を自動計算

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窓ガラスやひさしの設定画面
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計算用モデルと計算結果

動作対象製品は、「Vectorworks Architect 2013J」などVectorworks 2013Jシリーズです。気になるお値段ですが、通常価格6万3000円(税込み)のところ、発売を記念して

 

半額のキャンペーン版

 

を現在、発売中とのことです。

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PALツールのパッケージ

 

手軽なお値段ですので、Vectorworksのユーザーさんはこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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