管理人のイエイリです。
気候変動への関心が高まる中、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)やBEMS(ビルエネルギー管理システム)など使って、建物の運用段階で発生するCO2排出量を減らそうと努力している人や企業が増えてきました。
こうした建物ユーザーのニーズに応えようと、東急建設は今後、受注する新築建物について、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建物のCO2排出量
を集計してシート化し、顧客の要望に応じて提供することになりました。(東急建設のプレスリリースはこちら)
建物のCO2の発生源は大きく3つに分かれ、(1)材料となる鉄骨やコンクリートなどの建設資材の製造時、(2)重機や車両の燃料や施工で使った電気、(3)竣工後の建物運用で使った電気や燃料からなります。
このCO2排出量の切り分けは、世界的な環境基準である「GHGプロトコル」の考え方に基づいています。
自身が燃料を燃やして発生する「Scope1」、他社が作った電気を自身が使うことで間接的に発生する「Scope2」、自身の上流・下流に位置する企業や顧客が発生する「Scope3」という分け方です。
(1)については同社が2022年2月に公表した「積み上げ式CO2排出量算定シート」で計算し、(2)については施工実績データを係数化して算定し、(3)については建物用途に応じた一般的なエネルギー消費量を想定し、設計時に算定するBEI(省エネルギー性能指標)を用いて年間のCO2排出量を計算します。
最近は建物の完成後に発生するCO2だけでなく、建設時のCO2排出量を把握したいという顧客のニースが高まっているため、
ブラックボックス
だった建設時のCO2排出量を集計して、顧客に提供することは、建設会社にとって新たな価値の提供につながりそうですね。
東急建設のプレスリリースには記されていませんでしたが、こうした建物の材料や施工時の燃料・電気などの集計を手作業で行うのは難しいのではないでしょうか。
建物の設計にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って材料別の数量集計を行ったり、施工時の建機などの動きをデジタルツイン(デジタルの双子)化して使用燃料を集計したりすることは、地道な積み上げによるCO2排出量の算定にも、大いに役立ちそうです。