東急建設が低CO2建材データベース「CMCOS」を無料公開! CO2削減のコスパやランキングも
2024年10月30日

管理人のイエイリです。

大量の資材を使う建設では、CO2排出量も当然、大きくなるので、できれば低CO2の資材を使いたいですね。

しかし、建物の建設には、躯体や仕上げ、外構などに数多くの建材や資材を使うので、製造段階でのCO2排出量を調べるのは大変な手間ひまがかかります。

こうした建設業界のお困りごとを解決しようと、東急建設は建材CO2検索システム「CMCOS(コムコス)」を開発し、建材情報の蓄積や機能の拡充に努めてきました。

建材CO2検索システム「CMCOS」のイメージ(以下の資料:東急建設)

建材CO2検索システム「CMCOS」のイメージ(以下の資料:東急建設)

同社はこのほど、この低酸素建材データベースを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

一般ユーザーに無料公開

したのです。(東急建設のプレスリリースはこちら

一般に無料公開された「CMCOS」のトップページ

一般に無料公開された「CMCOS」のトップページ

利用するには、簡単なユーザー登録をするだけです。筆者も早速、登録し中身を見てみました。

すると各建材の製造工程の説明とともに、CO2原単位や削減率といった数値が入力されています。2024年10月30日現在、収録されている建材は全部で52件あり、躯体用が6件、仕上げ用が43件、外構用が1件、その他が2件でした。

各建材は大分類や部材名などで検索し、一覧表示できるほか、各建材の細かい仕様や関連資料へのリンクなどを備えた詳細ページも用意されています。

筆者はこれまで、「低CO2建材」という視点で建材を比較してみたことがありませんでしたが、このデータベースを見ると、

CMCOSに収録されている電炉鉄骨材の例。電炉によりスクラップ鉄材をリサイクルしているので、CO2削減率は71.9%と高い

CMCOSに収録されている電炉鉄骨材の例。電炉によりスクラップ鉄材をリサイクルしているので、CO2削減率は71.9%と高い

このほか、CO2削減率によるランキングや、建材のコストとCO2削減率をグラフ化して「コスパ」がわかる表なども表示できます。

ただ、これらの評価に使うCO2削減量やCO2原単位などの指標は、ユーザ各社によって異なるため、建材ごとに

自社基準を登録

できます。

できる機能も付いています。

CO2削減率によるランキング表

CO2削減率によるランキング表

建材の価格とCO2原単位をグラフ化し「コスパ」を分析できる表。価格情報は自社で入力する

建材の価格とCO2原単位をグラフ化し「コスパ」を分析できる表。価格情報は自社で入力する

CO2基準値は部材ごとに設定できる。最初はデフォルト値が入力されている

CO2基準値は部材ごとに設定できる。最初はデフォルト値が入力されている

また、ユーザーが各建材を5点満点で評価する機能もあり、その結果から他社の評価傾向を確認することができます。

各建材をユーザーが評価し、他社の評価もわかる

各建材をユーザーが評価し、他社の評価もわかる

なお、CMCOSは2025年3月までは無料で利用できますが、その後は有料化されるようです。

地球温暖化が進む今、建物建設時のCO2削減量は、これからますます重要な指標となってきます。

このデータベースはこれまで面倒だった建材のCO2原単位などを簡単に調べ、設計や施工に生かすことができるので、低CO2に配慮した建物の建設を後押ししそうですね。

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