BIM/CIMに対応!望遠鏡がないトプコンの測量機器に感じた「ユーザー愛」
2013年12月13日

管理人のイエイリです。

トプコンは12月10日、新型の3Dレーザースキャナー「GLS-2000」やGNSSレベル「Z-Plus」、レイアウトナビゲーター(墨出し・測設機)「LN-100」を同時発表しました。

そのコンセプトは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIM、CIM時代に対応

 

して、3次元座標データを現場で効率的に取得・活用できる製品、というものです。

例えば、杭打ちの位置決めなどの墨出し・測設作業に使うレイアウトナビゲーター「LN-100」には、測量機器に付きものの望遠鏡がありません。その代わりにアンドロイド端末をコントローラーとして位置決めを行う作業者側で操作します。

端末には、AutoCAD(DXF、DWG)やMicroStation(DGN)のCADファイル地形データの標準データ交換フォーマット「LandXML」、GIS用のファイル形式「SHP」など、様々な形式の3Dデータを読み込んで使えるのです。

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レイアウトナビゲーター「LN-100」(写真:特記以外は家入龍太)

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読み込めるデータ形式の例
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「LN-100」の使用イメージ

さらに、LN-100は、API(外部から制御するための手順やデータ形式など)を公開しており、オートデスクも「サードベンダー」としてBIMモデルデータを読み込んで墨出し・測設を行えるタブレット端末用のアプリを開発しています。

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オートデスクが開発したBIMモデル対応のタブレット端末用アプリ

LN-100は据え付けも簡単です。三脚だけでなく、適当な場所に置いてスイッチを入れるだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

姿勢を垂直に自動調整

 

してくれるのです(±3°の範囲)。

このほか、新型の3Dレーザースキャナー「GLS-2000」は最長350mの長距離計測が可能で、世界初の自動器械高調整機能(Direct Height Measurement)やBIM/CIMでのモデリングが行いやすい低ノイズのデータ取得が可能です。

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3Dレーザースキャナー「GLS-2000」の使用イメージ(資料:トプコン)

また、GNSSレベル「Z-Plus」は、これまで高さ方向の精度が悪いと言われてきたGNSS(全地球航法衛星システム)の欠点をレーザー技術で補い、トータルステーションと同等の高さ精度を実現しました。

この機種も設置してスイッチを押すだけで姿勢を垂直に自動調整するほか、計測前に必要だった既知点の観測を2点から1点に減らすことができるようになりました。

また、「レーザーゾーン(Lazer Zone)」という技術を使い、レベルから±10mの範囲に標尺があれば高さを測定できますので、レベルの盛り変え作業もかなり減らせそうです。それだけ、確実に現場の生産性が高まりますね。

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GNSSレベル「Z-Plus」の使用イメージ(資料:トプコン)

測量機器と言えば、その仕組みや調整の仕方を熟知した専門家が使うものというイメージがありましたが、これらの3機種には本番の計測スピードだけでなく、設置や事前準備などを含めてユーザーの仕事を楽にしたいという「ユーザー愛=顧客志向」が強く感じられました。

こんな器械が増えてくると、BIM/CIMの活用と相まって、現場の生産性はますます高くなりそうですね。

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上記の3機種は12月9日に東京・丸の内で開催された「トプコン・イノベーションフォーラム」でもお披露目された

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