日建設計がひと役!ARCHICADとグラスホッパーがリアルタイム接続
2015年10月16日

管理人のイエイリです。

数式や物理法則などをプログラムし、人間では作り出せない複雑な曲線やデザインをコンピューターで行う「アルゴリズムミックデザイン」という手法があります。

その代表的な手段は、複雑な3D曲面を表現するデザインソフト「ライノセラス(Rhinoceros)」と、数式などを図形でプログラムするソフト「グラスホッパー(Grasshopper)」というライノセラスのアドオンソフトの組み合わせです。

複雑な3D曲面を表現できるデザインソフト「ライノセラス」(特記以外の資料:グラフィソフトジャパン)

複雑な3D曲面を表現できるデザインソフト「ライノセラス」(特記以外の資料:グラフィソフトジャパン)

数式などのアルゴリズムを図形でプログラムする「グラスホッパー」(上段)と、その結果を3Dモデルなどで表現する「ライノセラス」

数式などのアルゴリズムを図形でプログラムする「グラスホッパー」(上段)と、その結果を3Dモデルなどで表現する「ライノセラス」

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで、複雑な曲面を持つファサードやカーテンウオールなどをデザインするときは、ライノセラスとグラスホッパーでまずデザインを行って3Dモデルのファイルを作り、そのファイルをBIMソフトに読み込んで設計作業を続けるという面倒な作業が必要でした。

そこでBIMソフト「ARCHICAD」などを開発・販売するグラフィソフト(本社:ハンガリー・ブダペスト)は、これら3本のソフトを

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

双方向にリアルタイム接続

 

することができるツール、「Rhino – Grasshopper – ARCHICADコネクション」を開発したのです。

BIMソフト「ARCHICAD」の画面

BIMソフト「ARCHICAD」の画面

このツールは、ARCHICADにインストールする2つのアドオンソフトからなっており、ライノセラスのネーティブファイル形式(.3dm)をARCHICADにインポート、エクスポートする機能を追加するものです。

「Rhino Exportアドオン」は、ARCHICADで作ったBIMモデル形状をライノセラスに渡し、「Rhino Importアドオン」は逆にライノセラスで作ったモデルをARCHICAD」に渡します。

この2つのアドオンソフトによって、ARCHICAD上のカーテンウオールなどの形状を、グラスホッパーでリアルタイムに変更することができるのです。

ライノセラス(左下)、グラスホッパー(上)、ARCHICAD(右下)がリアルタイムに双方向に連動している様子

ライノセラス(左下)、グラスホッパー(上)、ARCHICAD(右下)がリアルタイムに双方向に連動している様子

ARCHICADのBIMモデルは属性情報が付いたまま変形できるようだ

ARCHICADのBIMモデルは属性情報が付いたまま変形できるようだ

このツールは現在、「パブリックベータ版」が作成されており、グラフィソフト本社のサイトで入手することができます。

ARCHICADやライノセラス、グラスホッパーは海外生まれのソフトですが、こうした連携を実現したのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

日建設計とグラフィソフト

 

戦略的パートナーシップだったのです。

戦略的パートナーシップの締結を発表する日建設計とグラフィソフトの首脳陣(写真:家入龍太)

戦略的パートナーシップの締結を発表する日建設計とグラフィソフトの首脳陣(写真:家入龍太)

日本の設計事務所が、世界的に使われているBIMや3Dデザインソフトの使い方を変えたというのは、すばらしいことですね。

日建設計執行役員設計部門副統括の山梨知彦氏は「今回のARCHICADとライノセラスの連携により、部品から建築を組み立てる従来からのBIMらしい設計アプローチに加え、まだ部品へと未分化な設計初期でのBIMの利用や、コンピュテーショナルの設計手法との連携が可能となり、ARCHICADとBIMが建築家にとってよりフレンドリーなツールとなることを期待しています。」とは語っています。

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