管理人のイエイリです。
数式や物理法則などをプログラムし、人間では作り出せない複雑な曲線やデザインをコンピューターで行う「アルゴリズムミックデザイン」という手法があります。
その代表的な手段は、複雑な3D曲面を表現するデザインソフト「ライノセラス(Rhinoceros)」と、数式などを図形でプログラムするソフト「グラスホッパー(Grasshopper)」というライノセラスのアドオンソフトの組み合わせです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで、複雑な曲面を持つファサードやカーテンウオールなどをデザインするときは、ライノセラスとグラスホッパーでまずデザインを行って3Dモデルのファイルを作り、そのファイルをBIMソフトに読み込んで設計作業を続けるという面倒な作業が必要でした。
そこでBIMソフト「ARCHICAD」などを開発・販売するグラフィソフト(本社:ハンガリー・ブダペスト)は、これら3本のソフトを
ナ、ナ、ナ、ナント、
双方向にリアルタイム接続
することができるツール、「Rhino – Grasshopper – ARCHICADコネクション」を開発したのです。
このツールは、ARCHICADにインストールする2つのアドオンソフトからなっており、ライノセラスのネーティブファイル形式(.3dm)をARCHICADにインポート、エクスポートする機能を追加するものです。
「Rhino Exportアドオン」は、ARCHICADで作ったBIMモデル形状をライノセラスに渡し、「Rhino Importアドオン」は逆にライノセラスで作ったモデルをARCHICAD」に渡します。
この2つのアドオンソフトによって、ARCHICAD上のカーテンウオールなどの形状を、グラスホッパーでリアルタイムに変更することができるのです。
このツールは現在、「パブリックベータ版」が作成されており、グラフィソフト本社のサイトで入手することができます。
ARCHICADやライノセラス、グラスホッパーは海外生まれのソフトですが、こうした連携を実現したのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
日建設計とグラフィソフト
の戦略的パートナーシップだったのです。
日本の設計事務所が、世界的に使われているBIMや3Dデザインソフトの使い方を変えたというのは、すばらしいことですね。
日建設計執行役員設計部門副統括の山梨知彦氏は「今回のARCHICADとライノセラスの連携により、部品から建築を組み立てる従来からのBIMらしい設計アプローチに加え、まだ部品へと未分化な設計初期でのBIMの利用や、コンピュテーショナルの設計手法との連携が可能となり、ARCHICADとBIMが建築家にとってよりフレンドリーなツールとなることを期待しています。」とは語っています。