BIMで人の微少振動も解析!大成建設の「T-BIM Vibration」
2016年6月7日

管理人のイエイリです。

建物の振動解析というと、地震時の揺れや強度を確かめる地震応答解析を思い浮かべがちですが、建物内外の機械やクルマ、風、人によって日常的に発生する「環境振動解析」というものもあります。

例えば、廊下を歩く人や、給水ポンプの振動が伝わってくると、体物の居住性や精密機器の精度などに大きな影響を及ぼすことがあります。

大成建設は、建物のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データを活用して、こうした微少な環境振動による影響を予測・評価できる「T-BIM Vibration」という新ツールを開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMモデルからソリッド形状

 

の振動解析用モデルを自動的に作り、振動解析を行うのです。

BIMモデルから作られたソリッド形状の振動解析用モデル(以下の資料:大成建設)

BIMモデルから作られたソリッド形状の振動解析用モデル(以下の資料:大成建設)

地震時の応答解析は、柱や梁などを太さや厚さを考慮しない骨組み(フレーム)で、建物の重量を質点で表した串だんごのようなモデルで解析されます。

一方、建物内を伝わる機械や人などのデリケートな揺れは、串だんごモデルでは解析できないため、各部材の厚さや幅、形状などをソリッドモデルで忠実に表現し、有限要素法で振動解析を行うことが求められるのです。

従来はソリッドモデルで振動解析を行う場合、解析技術者が手作業で解析用のデータを作っていたため、1フロアのモデル作成に1人で2~3日、かかっていました。

今回、開発された「T-BIM Vibration」は、BIMモデルの3D形状や属性情報を使って解析用のソリッドモデルを自動作成できるため、半日程度で済みます。

従来は解析モデルの作成に2~3日かかっていたが、「T-BIM Vibration」により半日程度で済むようになった

従来は解析モデルの作成に2~3日かかっていたが、「T-BIM Vibration」により半日程度で済むようになった

建物の形や規模にかかわらず評価を短時間で行えるので、解析結果を計画や設計に

 

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することも可能です。

大規模な施設や複雑な形の建物でも、BIMモデルから解析用のソリッドモデルが作れると、微小振動解析がぐっと身近になりますね。快適な建物を設計するのに、大活躍してくれそうなシステムです。

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