管理人のイエイリです。
日本建設業連合会(以下、日建連)は、施工段階で効果的にBIMを活用する方法をまとめた「施工BIMのスタイル~施工段階における元請と専門工事会社の連携手引き2014」を2014年末に発刊しました。
この出版物は、BIMを導入した各社のBIM活用のノウハウが惜しげもなく公開された点で、画期的なものでした。
あれから1年半、日建連はさらにゼネコンやサブコン各社のBIM活用を調査し、2016年7月に「施工BIMのスタイル 事例集2016」を追加発刊しました。
今回の事例集発刊に当たり、日建連の建築生産委員会 IT推進部会 BIM専門部会では、79件の事例を収集し、このうち特徴的な取り組みを行った23事例(元請け13社、専門工事会社10社)を掲載しています。
その特徴は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIM活用の成功要因
を各社の実績に基づき、さらに詳しく分析していることなのです。
全体では60%の会社がBIMの活用によって「予想通り」または「予想以上」の効果があったとしています。
効果に大きな影響を及ぼす影響となったのは、BIMの実施体制では「元請のリーダーシップ」の有無、BIMの運用方法では「モデル作成範囲の明確化」でした。
また、BIMを活用したことによる効果としては、部材の干渉防止や納まりの確認といった品質面に続き、コストが第2位になったことが注目されます。
次回への改善点として挙げられたのは、「BIMモデル先行による施工図・製作図の作成」や「図面を意識したモデルの作成」、「BIMモデル承認」といったことでした。
つまり、BIMモデルをメーンで活用して作るモノの設計内容を固めて合意形成してから、図面を作るという順序が、手戻りのないワークフローを実現するコツと言えそうです。
事例集をめくってみて、目立ったのは
BIMを活用した会議シーン
の写真でした。
BIMモデルを見ながら作業員と手順を確認したり、朝礼会場にBIMモデルを掲示したりするなど作業の最前線での活用から、現場所長のリーダーシップにより設計、施工管理、各専門工事会社までを一斉に集めた合意形成会議まで、大小様々な会議の様子が紹介されています。
BIMをこれから導入しようという建設会社は、2014年に発刊された「施工BIMのスタイル」や今回、発刊された「事例集2016」を読むと、現場でどのようにBIMを活用すれば効果が上がるのかがよく理解でき、BIM導入のヒントになりそうです。
「事例集2016」だけなら、このページからPDF版が無料でダウンロードできますよ。